高市自民党総裁選出に伴い日経平均株価が一時2000円超の大幅高

2025年10月6日の東京株式市場は午前の終値で前回終値よりも2065.86円高い47,835.36円となりました。理由はもちろん、10月4日の自民党総裁選で高市氏が自民党総裁に選ばれたことが要因です。石破首相は就任前に金融所得課税強化について言及していたので、就任直後の2024年10月1日の取引で日経平均株価は一時2000円超の急落、終値では3万7919円55銭まで下落しました。高市氏の総裁選出は市場はまったく逆の反応をしたことになります。この1年間で一万円も日経平均株価が上がったことになります。

高市氏の政策(通称「サナエミクス」?」は赤字国債も辞さない姿勢で景気回復と物価高対策を重視、ガソリン税の旧暫定税率(1リットルあたり約25円)廃止や自治体向けの物価高対策交付金の増額、日銀と連携し金融緩和の継続を支持、デフレ脱却を目指し賃金上昇を伴うインフレを志向という方向です。

この政策は中期的にはインフレと円安が進行して輸出企業や成長産業には追い風になる一方で、財政赤字の拡大や金利上昇リスク、本格的なインフレ時代への移行が懸念されています。

実際に為替市場ではドル・円のレートが2.48円の円安に傾き、149.88円辺りで推移しています。円安に傾けば米ドル建ての資産は評価額が上がるものの、輸入品の価格は上がりインフレが進行してしまいます。このようなインフレ環境下では日本の銀行に預けている預金が著しく棄損する可能性もあります。

日経平均株価が上がったと言っても単に日本円の貨幣価値が減少しているだけのことかもしれません。赤字国債は今でも多いのに、さらに赤字国債の発行が嵩めば利払いだけでも大変な額になり、到底返済することができない借金になってしまいます。高市氏は一時的な財政赤字は容認して、将来的な税収増によって回収するという考えを持っていますが、取らぬ狸の皮算用という気がしてなりません。

単に赤字国債の発行や金利の上げ下げなどの表面的な政策以前に、日本の各産業が力を付けて、世界各国とどうすれば渡り合えるようになるのかといった、もっと身の部分をなんとかしなければいけないと思います。

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