楽天がJEPQ投資信託「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」を発売

米国のETFとなるJEPQに投資をする投資信託、楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)が楽天投資顧問により2025年8月4日から新規設定されることが発表されました。毎月分配型ファンドとなるためNISAは非対象です。

投資先のJEPQはJPモルガンが運用する米国ETFです。こちらはインデックス型ETFではなく、アクティブ型のETFです。米国のハイテク企業が3000社以上上場するNASDAQ総合指数の中から時価総額上位100社で構成するNASDAQ100を主要ベンチマークとしつつも、同時にコールオプション(株式を事前に定められた価格で購入する権利)を売ることでプレミアムな収益獲得を目指すETFとなっています。

原資産の価格上昇による収益は限定的になりますか、原資産価格があまり大きく上昇しないと予想される局面でもコールオプションの売却によりインカム収益を獲得することが期待できると解説されています。しかし、保有資産の一定水準以上の値上がり益を放棄する対価としてプレミアム収入をインカムとして受け取っているため保有している銘柄の価格が短期的に大きく上昇した場合は値上がり益のすべてを享受できなくなる可能性があることがデメリットです。また、NASDAQ100自体も大きく上げ下げするので、リスクの高い投資となります。

JPモルガンではJEPQについて下記のように運用方針を説明しています。

  • 米国の大型成長株の保有とオプションの売却を組み合わせたポートフォリオから株式の配当金とオプションプレミアムを獲得し、これらのインカムを原資として毎月分配を目指します。
  • NASDAQ100 Indexよりもボラティリティを抑えながら同指数の値上がり益の恩恵を一定程度享受することを狙った運用を行います。
  • 独自のデータサイエンスを活用した運用手法によって分散された株式ポートフォリオを構築し、リスク調整後の期待リターンの最大化を目指します。

2025年7月25日現在で、米国ETFのJEPQのリターンは下記のようになっています。(米ドル建て)

  • 年初来リターン 3.71%
  • 1年トータルリターン 17.70%
  • 直近配当利回り(税込) 10.77%
  • 3 ヶ月トータルリターン 11.38%
  • 3年トータルリターン 17.38%

総じて高い利回りを実現していますが、株価は現時点でトランプ関税ショック前の高値に追いついていないので、やはり5月以降の急速なNASDAQ100指数の回復には乗り切れていないことがわかります。

この米国ETFが設定されたのは、2022年3月5日とまだ日が浅いので、過去実績という面では、まだ未知数のところがあるファンドでもあります。

そんなJEPQに投資する楽天の投資信託はどんな成績をおさめるのか気になるところです。経費率は本国のJEPQは年0.35%ですが、楽天JEPQは年0.658%程度とされています。経費率の面では不利になりますが、楽天JEPQが米国における税金と日本における税金の二重課税を調整してくれるのだとすると確定申告の手間が省けるのがメリットになるかもしれません。

私自身は経費率が安いことと、ふるさと納税の関係で確定申告は実施するので、今までどおりに、米国ETFのJEPQを続けようと思っています。

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