関税交渉決着による東証株価の高騰と夏枯れ相場

米国との関税交渉決着の報道を受けて、昨日の日経平均株価はかなりの上昇幅になりました。いわば、稲妻が輝いた瞬間の一つだったかもしれません。参院選で自民が大敗したことに関しては、あまり株価が動じずに織り込み済みを思わせるような展開だったのに対して、今回の関税交渉決着についてはその決着内容について市場のサプライがあったのかもしれません。

しかし、7月の後半に入ったこともあり、そろそろ夏枯れ相場入りするのではないかという声もあります。夏季は海外では長期のバカンス、日本でも夏休みやお盆休みをとる人が多いので市場参加者が減少して取引量も減ってしまいます。取引量が少ない相場では少しのニュースでも敏感に株価が上下する傾向がにあり、取引のリスクが高まるとも言われています。また、夏枯れ相場中の最安値を夏底とも呼びます。

野村證券の解説によれば、過去の統計を見ると米国のダウ平均株価は8~9月、日経平均株価は9月に下落する傾向が明確に見て取れるとしています。このような傾向を受けて、相場の格言として、「セル・イン・メイ」(株は5月に売り抜けろ)というものまであります。夏枯れする前に手持ちの株式は売っておけということですが、今年の場合、7月後半に昨日のような稲妻が輝いた瞬間があったので、格言を鵜呑みにすることも危ないのかもしれません。

YouTubeでの馬渕さんの解説にアノマリーの説明を聴いたことがありますが、このような情報を目にすることが多くなったことに伴い、NISAで積立を新たに始めた人などは手持ちの銘柄を売りたい衝動にかられることも多いと思います。特にNISA口座では株式やファンドを売ってしまうと枠の復活は翌年になってしまうので、売却時はよくよく考える必要があります。

今年の場合は関税交渉が決着したことによって、投資機関などが安心して夏休みに入り夏枯れ相場入りする可能性も否定できません。しかし、トランプ大統領は何をするか分からないところもあり、気が抜けない感じもします。

20年間や30年間におよぶ長期の資産形成に於いては、このような季節変動については気にせずに、インデックス投資で毎月コツコツと積み立てる作戦で進めます。

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