ガソリンの暫定税率廃止法案は早ければ8月1日に召集される見込みの臨時国会で成立か

参院選で自民党が大敗して過半数与党ではなくなったことを受けて、ガソリンの暫定税率に関する議論がまた浮上してきました。自民党は野党が求めるガソリン税の暫定税率廃止について8月1日召集の臨時国会で関連法案を成立させる検討に入ったことが報じられています。今回の参議院選挙の結果、衆参両院で少数野党に転落したため、野党の要求を受け入れる必要があると判断したということです。いったん、通常国会で野党七党が廃止に向けた法案を提出していましたが、当時は過半数を維持していた自民党が参議院で廃案にしました。

現在、ガソリン1リットルあたり25.1円が暫定税率分として上乗せされています。これにより、年間約1.3兆円から1.5兆円の税収につながっています。現在、ガソリンは1リットル当たり160円前後で販売されているので、暫定税率を廃止すれば134.9円となり、かなりガソリンが安くなる印象を受けます。しかし、廃止すると、1.3兆円から1.5兆円の税収が減ってしまうので、代わりの財源確保については頭の痛い問題になります。赤字国債発行となれば、またさらに国の借金が積み上がっていくので、円に対する信用力低下は避けられないでしょう。

ガソリン税の暫定税率は本則税率に加えて道路整備などの財源確保のために一時的に上乗せされた倍率です。もともとは1970年代のオイルショックをきっかけに導入され、その後も長期間にわたって維持されてきました。2009年には特定財源から一般財源に切り替えられましたが、税率自体は維持されています。

2009年に道路特定財源制度が廃止されて一般財源になったこと自体は良かったのだと思います。今後、人口が減少していく日本の中で道路というインフルだけがこれ以上立派になっても仕方がないところがあります。ただし、本来は暫定税率についてはその成り立ちを考えると一般財源にすることはおかしかったのではないでしょうか。

自動車関係については、徴収される税金の種類、金額ともに多いので、単純に暫定税率は廃止してほしいです。ただし、鉄道のグリーン車など贅沢なものについては追加で税金を徴収しても良いのではないかと思います。日本においても格差が広がって、ジニ係数が緩やかに上昇していると言われています。

教育の充実、雇用の安定化、地域格差の是正などの対策とともに、富裕層への適正な課税を通して所得の再分配が必要な状況になっていると思います。

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