朝日新聞に興味深い記事が掲載されていました。2025年12月8日の深夜に青森県東方沖を震源とした地震に伴い、津波情報を検索したところ、生成AIによって本当は津波警報が発令中であったにもかかわらず、「すべて津波警報・津波注意報は解除されている」と誤った情報が表示されてしまっていたという報道です。
生成AIはWEB上で公開されている情報などを学習して、指示に対して回答を返しています。ブレーンストーミングのように色々なアイディアを集めたいときには、生成AIが提案してくれた内容は役に立つことが多いのですが、ただ唯一の絶対正解となる回答を得たいときには、生成AIの回答をそのまま信じることは非常に危険だと思います。
記事の中でも専門家の意見として、「命にかかわる分野でAI検索に頼るべきではない」と指摘しています。例えば、林の中でキノコを見つけた時に、そのキノコの画像を生成AIで確認して、食べられるキノコか毒キノコかを判別することもNGです。生成AIは自信たっぷりに答えてくれますが、その回答をそのまま信じるのはNGです。
津波警報の状況を知りたいときには、気象庁やNHKなどの信頼できる公式サイトで確認することが最も適切だと思います。林で採取したキノコについてはネット検索の結果で判別することは難しいので、食べないことが一番だと思います。
このような津波情報やキノコの情報は生成AIが悪意をもって回答しているわけではありません。しかし、SNSなどには悪意やいたずらなどによって、生成AIで作成したフェイク画像などもたくさん流れています。
SNSで見た内容も、もしかすると誤った情報かもしれません。最近では宮城県女川町が公式Xに投稿したクマの画像がAIで生成されたものであったというニュースも話題になっています。気になった画像などを安易に投稿するのは、誤った情報を拡散する原因になる可能性もあるので大変に危険です。衝撃を受けた内容であっても、そのまま拡散するようなことは避けて、信頼できるソースで正しい情報か否かを確認する習慣が必要です。
最近は情報技術が進歩して、以前では注意する必要がなかったことまで確認する必要が生じてきました。生成AIの光と影という感じでしょうか。今後は情報が正しいものか否かをAIで判別する技術も進化し、今よりはAIで振り回されなくなるのではない未来が来るのではないかと信じたいと思っています。


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