Rakuten TVという動画配信サービスがあります。ここでは、コンテンツのレンタル、定額見放題、ライブ配信、コンテンツの販売といったサービスを提供しています。ここで、とんでもない発表があり、SNSでは「詐欺ではないか?」といった厳しい意見が相次いでいます。
具体的には提供しているサービスのうち、「購入コンテンツ」の販売は2025年12月25日をもって終了、さらに既に購入済のコンテンツであっても2026年12月までで以降は視聴が不可能になるというニュースリリースを出したことです。しかも、Rakuten TV自体のサービスを終了するわけではなく、レンタルコンテンツと定額見放題、ライブ配信については引き続き利用できるとしている点もさらに不可思議です。
通例であれば、消費者保護の観点からサービスを終了するときには、購入済コンテンツは他のサービスで引き続き見られるようにしたり、返金をすることが多いのですが、今回の楽天の発表にはそのような記載も見当たりません。実は楽天ではRabooという電子書籍サービスを2011年8月にスタートしていましたが、2013年3月にサービスを終了したことがありました。このときには、既存ユーザーに対して購入金額10%相当の楽天スーパーポイントを贈呈、「koboサービス移行支援プログラム」として、(1)Rabooでの購入金額40%相当の楽天スーパーポイント、(2)kobo Touchの3000円割引クーポンの提供などを実施しました。
しかし、今回のRakuten TVの購入コンテンツの視聴終了に際しては、何ら返金などのアナウンスがありません。
電子書籍でもそうですが、コンテンツを「購入」という言葉を販売側は使っています。しかし、これが消費者の誤解を生むもとになっていると思います。これらのサービスではコンテンツ自体が自分のものになるわけではなく、コンテンツを視聴する権利、読む権利が与えられているに過ぎません。また、約款にはサービスを終了する際にはこの視聴する権利、読む権利が無くなることが明記されています。DVDやブルーレイディスク、紙書籍であれば手元に物理媒体が残りますので、媒体が壊れるまでは視聴し続けることができますが、動画配信や電子書籍サービスではこれが叶いません。
私自身、Rakuten TVでは堺雅人さんや高畑充希さんが出演している映画「鎌倉物語」を購入していたのですが、この作品を見ることができる期限は2026年12月までになってしまいました。普通、「購入」となっていれば、そのサービスがある限り、ずっと観られることが普通だと消費者は思っています。
従って、「購入」という消費者が誤解するような言葉を使わないようにすることが最初に必要なのではないかと思います。
楽天はほかに今まで力を入れてきた楽天Koboという電子書籍サービスがあります。今回のRakuten TVで行われた購入済コンテンツの視聴権剥奪は、楽天Koboの信用力に大きく影響するのではないかと思います。


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