次期Suicaアプリの2028年度提供計画はうまく行くのか?

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JR東日本が次期Suicaアプリを2028年度に提供することを発表しました。PayPayのようにSuicaを軸にしたスーパーアプリのようなものを目指すのだそうです。

どちらかというとアジャイル的なアプローチで進めた方が良いサービスが出来るのではないかと思うのですが、まるでSoR領域の基幹系システムのように、4年も先に一括して大改造したアプリに更改する計画ってうまく行くのでしょうか。 

PayPayに関しても、最初はシンプルなバーコード決済アプリに徹して公開して、その後、ユーザーの利用シーンを分析しながらサービスを徐々に追加したので、今のスーパーアプリになったように思います。

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Suicaアプリも順次進化をさせたほうが良いのでは?

柔軟に機能拡張ができるアーキテクチャをまず作って、最初はそこに今のSuicaアプリの機能だけをシンプルに組み込み、徐々にサービスを追加していくような発想の方がうまくいくような気がします。4年先に大きな大砲を撃つことを今から宣言するような開発は、要件定義の段階でまとまりませんし、4年後には技術や構想が陳腐化しているリスクすら伴います。

すでに、Suicaについては、改札機の更新費用が大きくなることを嫌って、特に地方の鉄道会社ではクレジットカードのタッチ決済に乗り換える動きもあります。また、JR東日本自体も二次元バーコードでの紙の切符、デジタル切符を増やしていくのだとすれば、交通系電子マネーとしてのSuicaの位置づけはますます怪しくなってきます。

Suicaアプリに搭載される機能

2028年度に公開を目指すSuicaアプリは、下記の機能を取り込むことを想定していることが発表されています。

  • 列車予約
  • 施設予約
  • モバイルオーダー
  • 物品購入
  • 配送手配
  • 決済
  • マイナンバーカードとの連携(給付金の受取など)
  • 金融決済サービス
  • 移動と一体のチケットサービス

今のSuicaアプリの機能にえきねっとや銀行の機能が組み合わされたものでしょうか。

何となく、あまり美味しくない惣菜が集められた幕の内弁当になってしまいそうで、とても怖いです。JREポイント生活圏が広がらないのは、スーパーアプリが無いことが理由ではなく、キラーコンテンツが乏しいことが理由とも思えます。鉄道からエキナカに展開したのは素晴らしかったと思うのですが、そこからさらに横に広げるところで苦労しているように思えます。

金融サービスに関しても、楽天銀行のプラットフォームの上でJRE BANKを立ち上げて、大きな特典を準備することで話題になりましたが、その後、どのように事業展開していくのか少し不安なところもあります。

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