楽天モバイルが2025年の七夕(7月7日)に契約数が900万回線を突破したことを発表しました。MNOサービスの契約数が700万回線を突破したのは2024年6月16日でした。しかし、楽天はMNO単体での契約数とMNOとMVNOを足し合わせた契約数を発表することがあり、注意しないといけません。今回はMNOとMVNOを足して900万回戦突破ということでした。とすれば、MNO単体では契約数がどうなるのかを調べてみると、820万回線です。かなり頑張っている数字だと思います。
とはいえ、プラチナバンドの商用サービスを開始した際(2024年6月27日)にはできるだけ早く1000万回線に到達したいと三木谷社長は宣言していたので、まだ満足できる数値ではないと思います。
また、1契約あたりの月額料金(ARPU)も2000円程度にとどまっていますが、もっと大きな値にしたいところです。家族割などの導入で逆にARPUに影響が出かけない局面でしたが、U-NEXTとのセットプランを最近発表するなど、ARPUの向上に向けても力を入れています。
楽天グループは5月の第一四半期決算でも楽天モバイル固定資産税を除く第一四半期のグループ全体のEBITDAが黒字になったことを盛んにアピールしていますが、今一つ株価の方はついてきません、まだ投資家はモバイル事業の行く末に対して一抹の不安を感じているようです。楽天モバイル事業単体でのEBITDAは赤字なので、今後の四半期決算ではこれが黒字になるかが一つの焦点になります。続いて、減価償却費も加味した財務会計上の営業利益がプラスになるのがいつになるかが課題になるのでしょう。
第一四半期決算資料の中には、時期別のMNP転出率トレンドという面白い折れ線グラフもありました。この中で極端な傾向を示しているのは、2025年3月にC社へのMNP転出が極端に増えていることです。楽天モバイルでは季節要因と他社のキャンペーン強化が原因と分析しています。
また、通信品質についても積極的に改善を進めていることがアピールされています。ターミナル駅など混雑している箇所で一時期改善を実感することがありましたが、また最近はパケ詰まりが起こることも増えているので、契約者数の増加と設備の増強が拮抗しているのかもしれません。今後も更なる改善に期待したいところです。
私自身は現在は楽天グループの株主優待で回線を1本、自身の電話番号維持と楽天市場のSPUアップのために有償で契約している回線が1本あります。有償で契約しているSIMを入れているスマホは、株主優待SIMを入れているスマホにテザリングを常に行っているため、最低料金(1000円少し)で維持しています。U-NEXTにも興味があるのですが、楽天の新しいプランを利用すると逆に月額使用料がU-NEXT単体で入るよりも高くなってしまうため、今後、楽天グループの株主優待が万が一なくなった場合に検討したいと思っています。
日本で4つ目の携帯電話会社を作るのはかなり難しいのではないかと、楽天モバイルが事業を始める当時は言われていましたが、もうすぐ1000万契約が射程圏内に見えてきたというのは素晴らしい躍進だと思います。今後の動きも注目したいと思います。
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