米国債では短期の国債に投資するETFとなるAGGに対して、超長期国債に投資するETF、EDVがあります。債券は価格の変動が穏やかであるため、安全資産の印象がありますが、長期の国債は金利の動向などに対してとても敏感に大きく反応するため、値動きが大きくなっています。
もしも、これから先、米国の利率が下がるのであれば基準価額が上がり、利率が上がるのであれば基準価額が下がります。EDVは現時点で4%以上の利回りがあるので、たとえ基準価額が下がったり、為替が円高に傾いても、分配金は年に4回貰える形になります。
一方で日本国内債券については、個人向け国債という形で3年固定、5年固定、10年変動から選ぶことができるようになっています。個人向け国債は普通の債券とは異なり、購入後1年間は原則として払い戻しができなかったり、1年以降の途中換金には過去2回分の利息分が差し引かれたりといったルールがありますが、元本割れはしないように商品が設計されているのが特徴です。しかし、利率は1%前後とそこまで高くないのは残念な点です。
この個人向け国債に対して、リスクの高い投資信託「Tracers日本国債ウルトラロング(30年平均)年4回分配型」が11月26日から購入可能になります。米国債ETFで例えると、性格はEDVに似ているかもしれません。今後の利率の変動見通しに敏感に基準価額が反応しますので、もしも今後も利率が上がっていくようなことがあれば、簡単に元本割れになります。もともとは日本の金利の動向は、金利を上げていく方向にあると考えられていましたが、高市政権になってから少し動向が読み取りにくくなってきました。
ただ、基準価額がマイナスになってしまったとしても、分配金利回りは3%程度になりそうなので、日本の商品の中ではインカムゲインは高めです。また、日本国内の債券なので為替リスクが無いことは一つのメリットになるかもしれません。もしも基準価額が元本割れになってしまったとしても、3ヶ月に一回、インカムゲインを貰うことで満足する事もできます。
ちょっと気になるのは、信託報酬は0.176%と少し高めであることです。
今後、大きく株価が下落するようなことがあれば、景気を盛り上げるために金利は下がって、Tracers日本国債ウルトラロングの基準価額は上る可能性もあります。株価が下がったときに逆方向に動いてくれるアセットは貴重なようにも思います。
米国債ではEDVを買うようにしているのですが、日本国債でTracers日本国債ウルトラロングを購入するかどうかはもう少し勉強してから決定したいと思っています。こちらの投資信託はSBI証券、マネックス証券、楽天証券で取り扱われる予定です。

コメント