2025年の4月に入ってからは米国のトランプ大統領が繰り出す関税政策によって、米国株の株価が大きく下げています。普通、株価の下落局面では安全資産の米国国債が買われて、米国債の価格が上がるのですが、今回はニューヨークの債券市場で米国債が売られてしまっています。
先週末の10年物国債の金利は4%を下回っていたのですが、4月5日に全ての貿易国に対して一律に10%の関税を発動すると米国債の売り注文が増加して債券価格が下落(長期金利は上昇)しました。結果として、金利の上昇幅が0.5ポイントにのぼって、10年物国債の金利が4.49% になりました。
楽天証券で既発債の状況を確認してみると、確かに全体的に米国債の価格が下がって利回りが高くなっていました。そこで、償還日が2044年2月15日のトレジャリーノートを購入しておきました。半年に1回の利払いを受けられます。
今回は米国の株価、日本の株価、米国債が全て下がるという状況で、分散投資をしている意味があまり無い状況になっています。トランプ政権では米国をナンバーワンにすることを目標にしていましたが米国から資金が逃げ出す皮肉な状況になっています。
また、円やスイスフランなどに資金が集まる中で円高が進行しているのでドルベースの資産は目減りしてしまっています。米国の株と通貨、債券が同時に売られるトリプル安です。米国に対する投資家からの根強い不信感が高まる中、今後はどのように政策が推移するのか世界から注目が集まっています。
【2025/05/17追記】
米国の格付会社、ムーディーズ・レーティングスは米国債の長期信用格付を最上位の「Aaa」から「Aa1」へと1段階引き下げました。米政府の財政赤字拡大を理由としています。トランプ大統領は関税を引き上げることで政府財務の改善を目的としていたはずですが、逆に財政赤字赤字が拡大して格付の引き下げ、国債の金利上昇という流れになったら、一体何をやっているのか分からないような気もします。今後、トランプ大統領はどこに舵をきっていくのでしょうか。
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