NHK-BSの「鉄オタ選手権 大井川鐵道の陣!きかんしゃトーマス号&懐かし車両&アプト式も」という番組を見ていると、冒頭で災害不通区間が2029年を目処に復旧し全線開通するという情報を紹介していました。
3年前の秋(2022年9月)、台風15号の被害(土砂崩れ、路盤流出等)で全線39.5Kmのうち、川根温泉笹間渡駅から千頭駅までの間(19.5Km)が不通になっています。全線復旧には約21億円が見込まれていますが、大井川鐵道だけでは負担することができず、静岡県や沿線自治体などと協議が行われていました。
かなりの高額であったため、まだ調整は決着がついていないのではないかと思っていたのですが、改めて調べてみると、2025年3月28日の報道で無事に合意されたことが報道されていました。大井川鐵道の鳥塚社長は「資金的なめどがこういう形でつけていただいたという点に関しては遠くに光が見えてきたなと。なんとか下から上げていって一駅でも二駅でも毎年延ばしていく形にしていきたい」と語っています。下から上げていくということは、川根温泉笹間渡駅から北(大井川上流)の終点、千頭駅に向かって一駅ごと復旧していきたいということなのだと思います。

国や自治体による補助制度を活用しても、21億円のうち7億8000万円は大井川鐵道が負担しなければいけません。これも難しいので、被災個所の復旧工事費の2億4000万円を県や自治体(島田市、川根本町)が肩代わりして負担するほか、経年劣化したトンネルなどの整備費5億4000万円を会社に貸し付けるとしています。これにより、復旧工事を進めて、2029年に全線復旧を目指すということです。
近年、災害が激甚化する傾向があり、多くの鉄道が被災しています。中には復旧しても採算が取れないことを理由に廃止されてしまう鉄道もありました。大井川鐵道はSLやきかんしゃトーマスの運転などで観光客から人気のある路線です。沿線自治体としても、大井川鐵道による観光客の集客効果が高いので、今回の合意にこぎつけることができたのでしょう。本当に良かったです。
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