Honda Tech Blogに見る企業ブログ公開の難しさ

自動車・二輪車メーカーのホンダが社外向けに公開しているHonda Tech Blogが大変に話題になっています。ソフトウェア製造会社から転職してHondaに中途入社した技術者が、率直な感想をブログで綴った内容でした。与えられたノートパソコンのスペックが低いなど、どちらかというと、有りがちな話しが綴られている内容です。

しかし、この内容はやはり有りがちな話しだけに、SNSサイトなどで話題になったりしました。

ただ、Hondaの上層部がこのブログの内容はマズイと判断したのでしょう。あろうことか、その技術者の記事を削除してしまいました。削除前の記事はインターネットアーカイブで読むことができます。

https://web.archive.org/web/20250519114048/https://honda-techblog.hatenablog.com/entry/2025/05/19/152406

これは非常に後味が悪いです。削除されたこと自体がSNSサイトで話題になると、今度は下記の記事が掲載されました。

「ソフトウェアエンジニアがHondaに転職して感じたこと4選」の記事削除について

本Honda Tech Blogにて5月19日に公開した『ソフトウェアエンジニアがHondaに転職して感じたこと4選』は、しかるべき確認手順を経ずに記事が公開されたため当該記事を削除しました。予告なく当該記事を削除したことで、本ブログをご覧いただいている読者の皆様にご不便をおかけして申し訳ございません。

今後の運営改善に努めてまいります。

この周知した内容も大変にマズイと感じました。「しかるべき確認手順を経ずに記事が公開された」ということは紛れもない事実なのだと思いますが、逆に読むと、しかるべき確認が行われればこの記事は隠蔽されたということになってしまいます。

技術的な話ではなく、組合に関する記載が問題になったのかもしれませんが、労働組合を持っている会社であればよくある話しなので、これが記事削除の判断に至ったとも想像しにくいです。

もし、この技術者の方が執筆された内容が事実で、ソフトウェアの生産性に大きく影響しているのであれば、記事を削除せずに会社として開発環境の改善に取り込むことを宣言すべきだったと思います。

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