Origami Payに見るスマホ決済の淘汰

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1月23日にメルペイはオリガミを買収することを発表しました。Origamiの創業は2012年、Origami Payの開始は2015年10月とバーコード決済の各事業者の中でも老舗の会社です。しかし、2018年ごろから急激に加速したPayPayなどによる大規模キャンペーンから突き放されてしまい、置いていかれてしまっていました。

そんな状況でも、ケンタッキー・フライド・チキンと組んで、その場で商品が半額で購入することができるなどユニークなキャンペーンを実施していましたが、やはり全体の競争に対しては圧倒的にスケールが不足していました。

2018年12月期のオリガミの業績は売上高2.2億円であったのにたいして、営業利益は24億円を超える赤字であったと東洋経済では報じていますので、非常に苦しかったことがうかがい知れます。

今回の買収報道を受けて、その後のメルカリの株価推移を見てみると、徐々に下がってきています。市場から見ると今回の買収によってメルカリの企業価値が大きく上がることは難しいと評価されているようです。

オリガミではコマーシャルなどを使った大きな宣伝は実施しませんでした。ビジネスインサイダージャパンの記事によると、消費者への還元こそが最も効率の良い販促費と考えていたのだそうです。しかし、PayPayと比較するとOrigami Payの認知度は非常に低いのが現状だと思います。消費者への大規模な還元とテレビコマーシャル等による大規模な宣伝をしたPayPayやd払いなどが認知度では大きく勝っている結果となっています。

このように徐々にバーコード決済の分野では淘汰が進んできていますが、現時点でもまだ提供されているサービスの種類が多すぎます。

ファミペイなどコンビニごとにサービスを提供されても、消費者のスマホの中にアプリが増えるだけになってしまいます。PayPayや楽天Pay、d払いなど、いろいろな店舗で利用できるバーコード決済が数社に絞られてくると、消費者としても判りやすいと思います。

また、できればFericaチップを使った非接触決済はいちいちアプリを起動する必要もなく利便性が高いので、IDやEdy、QUICPayなどに収束していってくれると本当に助かります。例えば、松屋の自販機の前で、松屋アプリのクーポン表示画面を出して自動販売機に読み込ませて、今度はバーコード決済アプリを立ち上げなおし精算をするということをやっていては、列の後ろの人に迷惑をかけてしまいます。

今後の電子マネー分野については、その方式も含めて淘汰が進み、激戦が繰り広げられていくのではないでしょうか。

【2020/02/07追記】

メルカリがORIGAMIを購入した価格は1株当たり1円だったという驚くようなダイヤモンドオンラインの報道がありました。日経系列では実質的な0円であったという報道もあります。ORIGAMIの社員のうち9割もリストラの対象になってしまうようです。

ORIGAMIは歴史をかけて電子マネーの市場を開拓してきましたが、ここ数年の資本力のある会社が同じ市場に乱入してきたことにより、大きく市場環境が変わってしまいました。この環境の変化に対応することは相当難しかったのではないかと思います。

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