楽天グループの2025年度2Q決算はモバイルは健闘しつつも純損失は前年同期比悪化

楽天グループが2025年度の第二四半期決算を発表しました。説明会用のプレゼン資料を読むと、楽天モバイル単体で見ると第二四半期はEBITDAが四半期黒字化(前年同期から191億円改善し96億円の黒字)したことがビッグニュースです。また、楽天モバイルの回線数は7月7日に900万回線を突破(6月末では897万件)、全セグメントで増収(売上は全体で前年同期比10.3%増)、全セグメント合計の四半期EBITDAは1,000億円超ととても順調なことをアピールする情報が並びます。

しかし、決算短信で2025年1月1日から2025年6月30日までの中間利益を見ると昨年同期は−61,103百万円だったのに対して今年は−101,957百万円に悪化してしまいました。金融費用(ドル建て社債発行に関連して会計上の評価損が膨らんだこと)が重かったほか楽天メディカルへの投資で減損損失を計上したことが響いていると報道されています。

モバイル事業は年末に契約回線数1000万件を目指すことや、減価償却の費用などを除いた損益の指標でみれば通期での黒字化は確実にできると思っていると三木谷社長は発言しています。

また、時事通信社の報道によれば、楽天モバイルの利用料金の値上げについて三木谷社長は、「総合的に判断するが、今のところ値上げは考えていない」と発言しています。少し、値上げも検討するかもしれないといったニュアンスを残す発言になっていることが気になります。

全般的に見ると、モバイル事業は順調に事業が拡大している様子が分かりますが、今まで発行した多額の社債等の負担が重くのしかかっていることは気になります。先日は日本国内で、米ドル建て債券と比較すれば比較的少なめの利率で社債を発行した実績もできましたが、赤字決算が続く以上は注意して見ていかなければいけない印象を持ちました。

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