資産運用がお得になる国の仕組み(NISA・iDeCo)が濫立していて判りにくい

2024年から新NISAが始まりマスコミをはじめとして、いろいろなところで紹介されていますが、その他にもiDeco(個人型確定拠出年金)があります。金融庁の調査結果を見ると、2025年3月末時点で、NISAの買い付け額は6兆6032億円となっていました。

一方でiDeCoの掛け金については、同じく2025年3月末で1兆4191万円となっていて、NISAと比較すると格段に少ないです。利用者数でみても2025年3月末でNISAは2600万口座、iDeCo加入者数は830万人と、こちらも大きな開きがあります。iDeCoは掛け金が所得控除になるメリットがあるものの、あくまでも老後資金形成が目的のため60歳まで引き落とすことができず、また引き落とし時に会社からの退職金受け取り時期との関係で控除を受けられない可能性があるので、制度として少し判りにくいところがあると思います。

NISAだけでも年間で360万円、ひと月あたりでならすと30万円の枠があるので、毎月この枠を満額埋めることは難しいので、NISAだけでも十分と考えている人も多いと思います。また、住宅購入など大きなライフイベントが発生したときにNISAであれば現金に換えることができることもメリットです。

今後、NISAについてはプラチナNISAや子どもNISA、iDeCoであれば掛け金月額の限度額上限引き上げなどが検討されていますが、制度が複数あっても、増築を重ねた旅館のようになってしまい、国民から見ると制度が更に判りにくくなってしまいます。

私の場合は企業型の確定拠出年金がある会社に当初はいたのですが、その後、会社を移ったときに積み立てた確定拠出年金を引き継ぐことが目的で、個人型確定拠出年金に加入して運用を続けています。この切り替えに関する手続きはとても面倒でした。また、前の企業型確定拠出年金は、みずほで運用をしていたのですが、iDeCoに切り替えてからは楽天証券に切り替えました。楽天証券で扱われている投資信託は信託報酬が安いものも含まれているのでその点では助かっています。多分、この切っ掛けがなかったらiDeCoには入っていなかったと思います。

投資そのものの勉強をしなければいけないことに加えて、NISAやiDeCoの面倒くさい仕組みまで勉強しなければいけないことは、投資のハードルを上げる原因にもなっています。国には制度を拡充することに加えて、制度全体の整合をとって、シンプルにする制度設計を進めてほしいと願っています。

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