最近、飛行機の機内、電車の車内などで、モバイルバッテリーからの発煙・発火事故がよく報道されています。これらのニュースではバッテリーメーカーの名前まで紹介されていなかったので、何処かの聞いたこともないような名前の会社が製造している危険な製品が事故を起こしているのであろうと勝手に予測していました。
しかし、読売新聞の報道によると、経済産業省がモバイルバッテリーの発火事故多発を起こしている「アンカー・シャパン」に対して10月21日に行政指導を実施したという記事が流れていました。販売事業者に対しては初の行政指導で年内を目処に全製品の点検や製造・品質管理体制の報告を求め、監督を強化するとしています。
日本において、Ankerはモバイルバッテリー、充電器、ケーブル、ポータブル電源、イヤホン、スピーカー、プロジェクターなどの分野で存在感があります。特にAmazonでのタイムセールなどでは、Ankerブランドの製品は多く出展されることもあり、かなり国内でも浸透していると思います。BCN総研の調査によると、2024年度の販売台数シェアは32.3%にものぼります。
Ankerでは行政指導を受けた21日に、2022年12月以降に販売したモバイルバッテリー約41万台とリチウムイオン蓄電池内蔵スピーカー約11万台の大規模な自主回収を発表しました。製品から発火した重大事故が41件も発生していると報じられています。製造過程で電極体の切断時に発生する粉じんが混入しショートする可能性があります。
Ankerの公式サイトを確認してみたのですが、トップページの最上段に製品回収を知らせる帯がありました。青い帯なので、危険を知らせるメッセージとは受け取りにくいところは難点です。消費者が一番多く見るであろうAmazonのAnker社サイトには製品回収を知らせる情報は見つかりませんでした。Ankerで大規模な製品回収が行われていることの周知が行き届かない可能性もあります。Amazonでは過去に販売した製品がリコールになったときに消費者にメールで知らせる場合があります。今回のAnkerのリコールについても、この周知が行われれば気がつく消費者が増えると思います。
あとは家電量販店などで購入した利用者も多いと思います。Ankerに登録を行っているユーザーであれば、Ankerから連絡があると思いますが、ユーザー登録を行っているのは少数かもしれません。発火は消費者自身や飛行機・電車などの乗客の命にもかかわる問題なので、ダイキンやパナソニックなどのようにテレビ広告で製品回収を呼びかける必要もあると思います。
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