JR東日本が2027年春から中央総武線(各駅停車)でワンマン運転を開始することを発表しました。10両編成の、しかも混雑している路線でワンマン運転を導入するというのは安全確保をするうえで正気の沙汰とは思えません。
しかも、現在、車掌が乗車していても中央総武線は電車の遅延が多い線区です。先にワンマン化が開始された南武線では車両編成が短いにもかかわらず、電車の遅延が発生していることが報道されています。
ワンマン運転実施に伴い、安全性・輸送安定性の向上に向けてJR東日本では以下の対策もあわせてとることを発表しています。
- 運転席への乗降確認モニタの設置
- 運転士が運転席に設置した乗降確認モニタですべてのドアでの乗り降りの状況を確認できる仕組み
- 異常時等で乗客と輸送指令室との通話
- 乗客がSOSボタンを押したあと運転士が応答できない場合に輸送指令室に直接つながり、乗客と輸送指令員が会話できる仕組み
- 輸送指令室からの車内放送の仕組みの導入
- 運転士が車内放送できない状況のときに輸送指令室の職員が直接車内で放送できる仕組み
- 輸送安定性の向上および運転士の負担軽減にむけて、TASC(定位置停止装置)の導入
このような仕組みは列車運転の安定性、安全性向上に寄与することは間違えありませんが、車掌を乗務させなくする代替になるほどの効果があるとは思えません。現場の状況をリアルに確認できない状況のなかで、遠隔地にいる運転指令室の職員がどんな車内放送を流すのでしょうか。
みどりの窓口削減のときにも思いましたが、JR東日本は客の安全や利便性以前に性急に合理化を進めすぎているように思えてなりません。
ワンマン化を中央総武線に導入する前に、まず、JR東日本が実施すべきことは車掌が乗務していても遅延が常態化している状況を解消するほうが先だと思います。
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