首都圏においては不動産価格の高騰が著しく、もはや利便性の高い場所にあるマンションや一戸建ては手が出せない状況になっています。人気の町「吉祥寺」から徒歩19分の分譲一戸建てが8780万円~9280万円、吉祥寺駅徒歩24分の建築条件付きの売地が5490万円~6590万円といった価格が並んでいます。吉祥寺駅徒歩20分程度の場所は建物込みで8000万円から1億円程度が相場になっているようです。
残念ながら物価は上がっているもののサラリーマンの給料はそこまで上がっていないので、とてもこれほど高騰している不動産を購入する余裕はありません。まさにバブルの真っ最中という感じなのかもしれません。
従来、不動産バブルと言われていたのは、1990年のバブル崩壊、そこまで大きくバブルとしては取り上げられていませんが2008年のリーマンショック前のバブルの二つでしょうか。
ただ、街中の物件を見ていると、間違えなく「ここは人が住んでない」と判る空き家が増えています。総務省が4月30日に発表した「住宅・土地統計調査」によれば、東京都の空き家数は2023年10月時点で89万8千戸、2018年の前回調査から11%増えています。都心のマンションなどは、海外の富裕層が購入することも想定されますが、郊外の一戸建ては、本当にそこに住みたいと思う人がいなければ売れないのではないでしょうか。とすれば、これから大幅な人口減少が進む日本において、不動産相場が今のままの高値が維持されるとは考えにくいです。
また、売り出し中のファミリータイプのマンションでも、いつまでも完売できずにモデルルームを開放している物件も見かけます。そろそろ供給過剰になってきていると思います。
バブルは崩壊してから、「あのときはバブルだったのか」と気が付くことが多いですが、今回はそろそろバブルが終焉するのではないかと予告するような記事を見かけるようになってきました。
日経BOOK PLUSではこんな記事も掲載されました。ネットワーク88代表の幸田 昌則氏が執筆された記事です。幸田氏は不動産市況アナリストで、バブル崩壊以前の1989年に関西圏からの不動産価格の下落を予測されていました。


マネーポストでもこのような記事が公開されています。ある巨大企業グループが、「早ければ2024年中、遅くとも2026年には日本の不動産バブルは終焉する」ことを社内で警鐘を鳴らしたという記事です。

数年前から不動産価格に上昇の余地はないと言われながらも、都心などを中心に価格は上がり続けています。これが単純にバブルなのか、それとも価値向上を伴って価格があがっているのか、なかなかよく判りません。結局のところ、バブルははじけてみないと、あのときはバブルだったと決めることが出来ないので、今の状況を正確に判断できる人は多くはないのかもしれません。
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