他人に成りすましたネットバンクの口座開設を防ぐ技術

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北海道でマイナンバーカードなどの情報をもとに被害者名義のインターネットバンキングの口座を無断開設しそこに約1400万円を振り込ませて騙し取る手口の詐欺が発生したことが報じられています。銀行窓口の職員も、振込先が本人名義の口座であるため不審に思わなかった可能性が高いと北海道警札幌厚別署では分析しています。

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ネットバンクの口座開設の実態

楽天銀行の口座開設

インターネットバンキングの代表例として、楽天銀行の口座開設手順を確認してみました。以下の3段階の情報入力で口座を開設することができます。

  1. 個人情報、キャッシュカードの選択、本人特定事項の確認方法選択等を入力
  2. 本人確認書類の送付(スマホアプリのスピード開設対応は下記3種類のいずれか)
    • マイナンバーカード(顔写真付き)
    • 運転免許証または運転経歴証明書(顔写真付き)
    • 住民基本台帳カード(顔写真付き)
  3. 「ThankYouレター 初期設定ガイド」に従って初期設定を実施

スピード口座開設を実施する場合は、アプリでの顔写真撮影が必要です。他人のなりすましを防ぐために実施しているのでしょう。しかし、撮影をおこなわない場合は、本人確認書類がもう1通提出することで代替することができます。なぜ、撮影以外の代替案を準備しているのか理由は判りませんが、他人が成りすまして口座を作る隙を作っていると思います。

SBI新生銀行

口座開設手続きは下記の通りです。

  1. Webフォームに必要事項を入力
  2. 本人確認書類の送付(スマートフォンで撮影する場合は下記の2種類のいずれか)
    • マイナンバーカード
    • 運転免許証
  3. キャッシュカードのお届け

SBI新生銀行ではスマホで申請する場合には本人の顔写真を送付することを義務付けていました。

本人確認は顔写真の送付だけで安全か?

顔写真付きの本人確認書類と本人の顔写真を送付させることで、ネットバンクでは両者を突合して本人確認をしたこととしていますが、今回発生した詐欺を考えると、抜け穴になってしまう可能性が高いです。本人確認書類の画像と本人の顔写真が入手できれば、なりすまして口座を作ってしまうことができるためです。

ネット銀行でも窓口確認またはオンライン通話を通じて、本人確認書類と本人の顔が同じことを確認するだけではなく、本人が間違えなく口座の作成を希望していることを確認することが必須なのではないかと思います。ネット銀行が全国各地に窓口を設置することは困難なので、例えば楽天銀行であれば業務提携をしている日本郵政や傘下の楽天モバイルの窓口などを活用する方法もあるのではないかと思います。

スマホで簡単に口座を開設する動きとは逆行してしまいますが、ネットバンク各社には、より万全な対応を期待したいところです。

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