東京都の地下水を蝕むPFASが及ぼす水道水への影響の恐怖

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数年前から東京都の多摩地域などの一部の井戸でPFASと呼ばれる有機フッ素化合物が検出されて報道されることがありました。

この物質はフライパンや半導体の製造などに使われていて、人体に悪影響を与えるという指摘もある物質です。PFASは人工的に作られた物質で、約4700種類以上あるとされていて、このうち泡消火剤や精密機器の製造に使われていた二つの物質は米国の研究でなどで有害性が指摘されています。

1990年代には米国でPFASを製造する工場の近隣に住む住民が汚染への補償を求めたことで、世界ではPFASの全面禁止も含めた規制強化の流れが起きています。

最近の現代ビジネスの指摘によれば、沖縄の嘉手納基地の周辺や東京都多摩地域にある横田基地の近隣など、PFASが検出されたエリアには米軍関連施設があるため、その関係が指摘されていました。

東京新聞の記事には、”多摩地域のPFAS血液検査、85%の人が「健康被害の恐れ」米国の指標値超える”というものもあります。

多摩地域のPFAS血液検査、85%の人が「健康被害の恐れ」米国の指標値超える 市民団体が中間報告:東京新聞 TOKYO Web
<PFASを追う> 東京・多摩地域で水道水に利用していた井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出され...

これらは市民団体の調査を元に報道していますが、残念ながら国や都が大規模に調査した形跡は見つけることができませんでした。

国はWHOが公表している指針よりも厳しい暫定目標値(合算で50ng/L)を設けています。3月29日のNHKの報道で、暫定目標値を超えた地点は都の環境局の調査結果として、値の高い順に

  • 立川市
  • 調布市
  • 府中市
  • 渋谷区
  • 練馬区

など、24地点と報道されています。

これとは別に東京都から実際の検出値の一覧表も公開されていましたが、例えば調布市の上石原排水所で浄水が75という数字になっていました。井戸停止対応が行われた「※」が付いていました。

最近、現代ビジネスがこの問題を取り上げたことの影響なのか、東京都の対応が変わってきているようです。この、5月1日から東京都がPFASについての相談窓口を設けました。

都の担当者はNHKの取材に対して、「現状で国内で健康に影響が出ているという報告は見受けられない。わかっている情報を丁寧にわかりやすく伝えていきたい」と答えていますが、これだけ世界で問題視されているのに健康に影響が出てからでは手遅れなのではないでしょうか?

心配なので、今後の公表内容をつぶさに確認したいと思います。

【2023年5月15日追記】

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多摩地域の住人は血液中PFAS濃度が全国平均の3.4倍

東京新聞で心配な数値が報道されました。多摩地域7市に住む303人の血液検査を実施した結果、PFASの代表物質であるPFOSとPFOAなど血中1ミリリットル当たりの四種の合計値の平均が29.4ナノグラムで全国平均よりも3.4倍高い数値になりました。

最も高かったのは国分寺市の住人で、44.9ナノグラムでした。都の水道局では2019年以降に国分寺など7市の浄水施設でPFASによる汚染が確認された34カ所の井戸からの取水を停止しています。

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