2月13日に楽天が決算発表に伴う記者会見を実施しました。この中で三木谷社長は低迷する自社の株価について「残念ながらわれわれの実力は反映されていないと思っている」と感想を述べました。
楽天の株価は下落傾向だったところに、第4のキャリアを目指して携帯電話事業に乗り出す発表を実施して、さらに株価が下がっています。やはり、これからのタイミングで6000億円もの巨額投資をして、投資対効果のある事業なのかどうか、市場が疑問を持っていることが大きいと思います。また、6000億円という額が足らないのではないかという指摘もあります。
これに対して、三木谷社長はこの金額で十分にできると説明しています。同席していたCFOも「過去にイーアクセスやUQコミュニケーションズが新規に電波を割り当てられたときの設備投資と比較しても十分全国ネットワークは構築できると補足しています。
ただ、イーアクセスやUQコミュニケーションズのインフラが非常に強かったという実感があまりわかないので、比較対象として適切だったのか否か、今ひとつよく分かりません。
6000億円の内訳としては、屋外基地局3000億円、屋内基地局800億円、コア・バックボーン650億円、10カ年のユーザー増対応等800億円などと説明しています。
初日から全国で一斉にサービスが開始できるわけではなく、設備投資は数年かけて実施していくことも明らかにしました。段階的に拡張している間は大手3社のどこかのキャリアからネットワークを借りることを想定しています。
段階的に拡張するとなれば、まずはたくさんの人が住んでいる場所からネットワーク基盤を構築することになるでしょう。とすると、人口密度の低い原野や山奥などの設備は大手キャリアから借りることになります。
当然、先行する会社よりも安い値段を提示しなければお客さんが集まらないと思いますが、そのスタートダッシュの時期に他社から回線を借りるのはコスト的な折り合いがどうなるのかも気になります。
ヤマト運輸が宅急便を開発したときのような勝つための算段がもう少しクリアにならないと投資家の理解は得られないのではないかと思いました。
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