スタジオジブリが制作部門を解体し休止か

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ジブリのカレンダー2012

 MSN産経ニュースを読んでいると、スタジオジブリに関する少し気になる記事がありました。この記事によると、残念なことに「制作部門をいったん解体する方針であることが分かった」と書かれています。8月4日に開催された株主総会で鈴木敏夫代表取締役プロデューサーから説明があったということですので憶測記事ではありません。あわせて、「宮崎駿監督引退のインパクトが大きかった」という説明もありました。

 この発表に従って、最新作「思い出のマーニー」を最後にして、しばらくはスタジオジブリから新作の発表が無くなる可能性があります。

 同様の情報はこちらの記事にもありました。

 ☆ジブリの制作部門解体の意向が情熱大陸で明らかになるも解散とは言わず!採用計画や各人発言から見えていた予兆とこれからのジブリ – A LA CARTE

 この記事によると8月3日の情報大陸で鈴木プロデューサーから説明があったようです。また、2011年からは新入社員の採用を見送っていますので、突然の思いつきでの発言ではなく、計画的なことなのかもしれません。

 映画制作という仕事は、その作った映画を公開して制作費以上の興行収入を得られるか否かにかかっています。制作には数十億円がかかりますし、どんなに一所懸命作っても必ずたくさんのお客さんが来てくれる保証はありませんので、とてもリスクの高い商売だと思います。宮崎駿監督という映画を作れば必ず売れるヒットメーカーが長編映画の制作から引退してしまったことで、今後も長編映画を制作し続けることが難しくなったのかもしれません

 スタジオジブリが制作した映画の興行収入はWikipediaで紹介されています。。

スタジオジブリ – Wikipedia

 やはり公開した映画により、非常に大きな差があります。これだけ興行収入が上下してしまうと、一つの会社としてリスクを負い続けることは難しいことかもしれません。

 制作部門はスタジオジブリの中でも人数が多いと思いますので、このまま体制を維持し続けることは難しかったのだと思います。別の記事によれば同部門所属のアニメーターは200人以上と紹介しているものもありました。いったん、制作を休止すると、スタジオジブリという会社としては三鷹の森ジブリ美術館の運営管理や、となりのトトロ、風立ちぬなど今まで作ってきた作品の関連グッズや版権の管理業務を継続する形になります。

 私自身は宮崎駿監督以外のスタジオジブリの作品も好きでしたので、制作を休止してしまうのはとても残念です。

【2024年10月10日追記】

 スタジオジブリの製作部門のその後ですが、公式サイトで下記のように説明されています。2017年に11人の新人を世界中から選んで制作部門は新たに立ち上げているようです。

  • 2014年8月、テレビのドキュメンタリー番組を通して、鈴木プロデューサーの口から「ジブリの制作部門の休止」が発表されました。こうして、2014年末をもってスタジオの制作部門は閉鎖され、所属していた制作スタッフは、各々新たな人生に向かって旅立っていったのでした。
  • 2017年5月19日、正式にジブリの公式HPで新作映画に向けて新人募集を行ない、スタジオジブリの制作部門の再構築が始まりました。引退会見からこの間、宮崎監督は、三鷹の森ジブリ美術館で上映する短編映画「毛虫のボロ」の制作に専念し、若いスタッフらと初の挑戦となるCGによる表現に意欲的に向かい合ってきました。そうした過程の中で、若い力を借りて、再び長編映画制作に挑む意欲が抑えられなくなったのです。世界中からの応募者の中から11人の新人が選ばれ、10月からスタジオに机を置いて新作に向けての研修が始まっています。

 なお、2014年でスタジオジブリを離れた制作スタッフは、同じ中央線沿いの武蔵境駅の近くでスタジオポノックを立ち上げました。「ポノック」という名前は、クロアチア語で「深夜0時」を意味する(ponoć)に由来していて、新しい一日のはじまりの意味を込められています。

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