病室・診察室、携帯OKになる方向

有明病院

読売新聞の記事を読んでいると、興味深い記事がありました。現在は病院内では指定された場所以外では携帯電話は使用禁止となっています。

これは1997年に「携帯電話の電波が医療機器の誤作動を招くおそれがある」と電波環境協議会が指針をまとめたためです。この協議会は総務省や厚生労働省、有識者、通信・医療機器業界がが参加しています。この指針を必ず守らなければいけない義務はないものの、多くの医療機関では当時のこの指針をもとに病院内で携帯電話を利用禁止としているところが多くなっています。

しかし、携帯電話で利用する電波も3G、LTEの世代になり、弱い電波で遠くまで届くようになりました。さらには医療機器の方も進歩を続けていて電波の影響を受けにくくなってきています。これに伴い、電波環境協議会では6月をめどに新しいルールを医療機関に周知します。この新ルールによれば、医療機器から離れた病室や診察室などでの携帯電話の利用が認められるようです。

調べてみると、たとえば北里大学病院では平成25年4月から下記の規則に改訂していました。

  •  院内全域を「マナーモードエリア」とし、メール・インターネットの使用は原則として制限いたしません。(但し、一部のエリアを除く)
  • 通話については「携帯電話通話可能エリア」のみとし、その他のエリアでの通話は禁止といたします。
  • 診察室、手術室、ICU、救命救急センター病棟の一部、HCU、PICU、NICU等は、携帯電話の電源をOFFにしてください。
  • 診療に支障を来たす恐れがある場合は、職員の指示で使用を中止させていただきます。
  • 万一、携帯電話により医療機器や院内情報端末への影響が発生した場合は、即座に使用を制限させていただく場合があります。

こちらの規定によれば、診察室、手術室、ICU、救命救急センタ病棟の一部、HCU、PICU、NICU等は携帯電話の電源をOFFにしなければいけないものの、それ以外のエリアではメールやインターネットの使用は原則制限をしないこととしています。ほかに、国立三重病院でもこれに近い指針をとっているようです。

この新しいルールが一般的になれば、たとえば電車やバスのシルバーシートの近くでも、インターネット通信やメール送受信は許されるようになるものと思います。

【2025/09/07追記】

やはり、携帯電話の改良や医療機器の機能向上に伴い院内における携帯電話使用条件の緩和を行う病院があります。例えば東京警察病院では下記の使用条件を設けています。

  • マナーモードの使用
  • 通話は指定エリアのみ
  • 使用禁止エリアでは電源を切る
  • 院内での写真撮影・録音は禁止
  • 使用できる時間帯は朝7時から午後9時まで

利用する病院によって条件が異なるので、必ず、使用する病院の指示に従う必要があります。

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