HSDPA技術を活用した携帯電話のデータ転送速度向上

 NTTドコモは来年度にも携帯電話の送信速度を高め、毎秒最高1メガビットから2メガビットに速度を引き上げる方向だという記事が日経新聞にのっていました。ドコモのFOMAでは現在は最高のデータ転送速度は384Kbpsになっていますので、数倍の速度向上になります。

 384Kbpsというと、PHSなどで一生懸命に通信していた頃が64Kbpsとすると、その6倍ものデータ転送速度ではありますが、ちょっと今の時代では心許ない感じもします。しかし、1Mbpsから2Mbpsというと、ADSLなみの速度になりますので、かなり快適に使えるようになるはずです。

 私はこの記事の中で始めて知ったのですが、データ受信速度については8月から3.6Mbpsに増強するとのことです。現在の10倍にあたります。電波の状況を見ながら、電波受信状態が良いときは、データ転送速度を速めるような技術を使用するそうです。

 この技術、HSDPAという名前です。そして今回の発表は同様の技術をデータの送信時にも適用し、例えばブログの更新を携帯電話から実施するときにもイライラせずにすむようになる効果があるようです。ただし、この技術を使用するためには対応した携帯電話が必要です。過去のニュースリリースなどを調べてみると、N902IX、M2501といった機種が対応しているようです。

 具体的にはHSDPAは3G回線網の基盤技術となる「W-CDMA」(wideband code division multiple access)を拡張した高速データ通信用の技術です。HSDPAは,以下の4種の工夫でバースト的に発生するデータをできるだけ効率良く伝送する仕組みになっています。

  • 共有チャネル
  • 適応型変調符号化
  • ユーザー・ダイバーシティ
  • ハイブリッドARQ(automatic repeat request)

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