水槽の水を浄化する濾材の選択とレビュー(シポラックス・ハイパーグラスリング)

 外部式のパワーフィルターを使用する上で欠かせないばかりではなく、その濾過性能を大きく左右するのが濾材です。濾材には大きく分けて、付属の濾材として多いスポンジ系の濾材、活性炭に代表される吸着系の濾材、長期に渡り性能を維持することができるセラミック系の濾材があります。

 ここではセラミック系の濾材を中心に紹介します。

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シポラックス

 セラミック系の濾材の中では定番で、上水道向けの濾過など業務用としても広く使われているようです。

シポラックス

 私自身も最初に購入したセラミック系のろ材はこのシポラックスでした。以前は、セラミック系の濾材で定評があるものというと、このシポラックスかエーハイムの濾材くらいしかなかったと思います。シポラックスは、たしかに無数の気孔があいていそうで、いかにも効きそうな感じです。でも、値段が高いのが少し残念です。最近ではシポラックス以外の濾材も多数出回っています。また、シポラックスそのものを扱っているアクアリウムショップもだんだん減ってきたような気がします。このような状況ですので、無理をしてシポラックスを購入する必要はないかもしれません。

パワーハウスベーシック

 パワーハウスベーシックという名前の濾材です。楽天市場のTOTOというお店で5リットルあたり6000円弱で購入できるので、比較的安いのではないでしょうか。そもそもはクリオンという建材屋さんが発売している商品で、このシリーズは多くのアクアリウムショップで取り扱っています。

パワーハウスベーシック

ハイパーグラスリング

 熱帯魚のTOTOというお店で売られているオリジナル濾材のようです。他のリング系濾材と比べてたいへんに安いのが特徴です。このコンテンツを作成している時点では5リットルで2000円という値段で売られていました。また、通販でも手に入れることができます。

 実際にコトブキのパワーボックス90に使用する濾材として、熱帯魚のTOTOから通販で購入してみました。実際に商品が届いて、中身を見た第一印象としては、シポラックスと似ているかなという感じです。リングの大きさ、穴の開き方、なんとなくスカスカした感じがシポラックスらしさを感じました。濾材の箱はきちんとした箱なのですが、製造会社などの記載はありませんでした。そのかわりに、箱には下記の説明がありました。この説明だけを見ると、かなり優秀な濾材という気がしてしまいます。

 ハイパーグラスリングは厳選された天然濾材を原料にした、水生棲環境に大変優しく効果があるろ材です。その構造は自然の泥に近く、バクテリアが住みやすい気孔が大半を占めます。気孔は一つ一つがバクテリアが最も快適に繁殖するデザイン。しかも常時ほどよい水流を確保できる設計となっていますので、優れた硝化作用を生みだします。さらに酸素が届きにくい部分では、硝化作用によって生みだされた亜硝酸や硝酸を窒素ガスに転化して排出する還元作用が行われます。つまり、観賞魚や食べ残しの餌などによって水中に排出される毒物アンモニアを水草の肥料にもなる硝酸塩に変えるばかりか、不必要な亜硝酸や硝酸塩を水棲生物にとって無害な窒素ガスにして排出する作用もおこなえるのです。ウェットろ材としてのそれらの効果は、従来の高性能ろ材と比較して約7倍。新しい飼育水の立ち上げが驚異的に早いとの実験結果も得られました。

 まだ商品を使用し始めたばかりなので、効果はよく判らないですが、しばらく使用してみて、また感想を載せたいと思います。

(2005.2.12追記)

 使い始めてから1週間以上がたちました。中の魚の様子や水草の様子を見る限り、どれも調子はよさそうなので、特に水質が大きく変わったということは無さそうです。PHが急変するといった最悪の事態は無さそうな感じです。もともと濾過が完成していた水槽にコトブキのパワーボックス90を追加して、その中の濾材として、このハイパーグラスリングを使ったので、特に濾過が強化されたとか、駄目になったといった変化は一切感じられません。

(2006/06/03追記)

 このTOTOの濾材も、TOTOが楽天市場から無くなってしまったために入手できなくなってしまったので、かわりに入手できる格安リング濾材が無いか探してみました。すると、意外と良さそうで安い濾材が扱われています。次に濾材が必要になった場合は、これらの濾材から選択してみようと思います。

備長炭

 セラミック系の濾材を中心に紹介しようと思っていたのですが、100円ショップのダイソーに行ってみたところ、枝状の大きめな備長炭が売られていました。原材料は「ウバメカシ」、長さは約27cmです。ラベルには、「冷蔵庫などの脱臭に」、「植木鉢に」、そして「アクアペットの水槽に」とまで書かれています。使用する前に、

  1. 炭の表面をタワシなどでよく水洗い洗浄する(洗剤は使わない)
  2. おなべ等で約10分間煮沸する
  3. その後よく天日乾燥させる

という説明書きがあります。これは流木代わりにもなるし良いのではないかと思い、つい購入してしまいました。本来であれば、説明書きのとおりに処理をしなければいけないと思うのですが、タワシで洗ったあとに、そのまま水槽の中に入れてしまいました。

 しかし、この備長炭は水には沈みませんでした。きちんと煮沸をしていないので、備長炭の中にある空気が抜けきれていなかったのでしょう。水の中に沈めたあとに、片隅を砂利の中に埋めると、浮かび上がらないようになったので、そのまま水槽の中に入れてあります。水の中に入れると、隙間から細かい空気の粒が少しずつ出てくるので、まるでリシアのようでなかなかきれいです。

 しばらく水槽の中に入れておくと、ウイローモスがどこからともなく絡み付いてきて、うまく育ち始めました。また、スネールがたくさん集まってきています。やはり、異物を吸着して、周りの水がきれいになっているのでしょうか。これならば、水槽に入れて使うのにはちょうど良い感じです。また、ダイソーに行く機会があったら、良い形のものを選んで買ってこようと思います。

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