iPhoneに登録したマイナンバーカードを窓口で本人確認に使えないことを公表する自治体が多数発生

2025年6月24日からiPhoneにマイナンバーカードを登録することができるようになりました。iPhoneでマイナポータルにアクセスする際に従来はプラスチックカードのマイナンバーカードを手元に準備して認証をしてからマイナポータルにアクセスしていましたが、iPhoneに登録したあとは、iPhoneで顔認証や指紋認証をするだけで簡単にマイナポータルにアクセスできて非常に便利です。例えば、健康保険証の情報を確認したり年金見込み額を確認する際にもiPhoneだけで完結できるようになりました。

そんなiPhoneのマイナンバーカードですが、2025年8月5日から各自治体等で「マイナンバーカード対面確認アプリ」を使って本人確認をすることができるようになりました。

マイナンバーカード対面確認アプリ

「マイナンバーカード対面確認アプリ」とはデジタル庁が提供しているアプリで、マイナンバーカードに格納された氏名などの本人情報を確認することができます。自治体や事業者のスタッフが、顧客や住民の本人確認などを行う際に利用できます。

デジタル庁は下記のユースケースを想定しています。

  • 金融機関での取引のための本人確認時
  • 携帯電話の契約のための本人確認時
  • 不動産の契約のための本人確認時
  • 中古品の買取のための本人確認時
  • 飲食店での20歳以上の確認時
  • チケット販売のための年齢確認時
  • 自治体窓口での本人確認時
  • その他、対面での本人確認が必要なとき

しかし、この対面確認アプリを利用するためには各窓口においてそのアプリをインストールできる機器を新たに準備する必要があり、多くの自治体の窓口でiPhoneのマイナンバーカードを本人確認書類として利用できないとアナウンスしています。

 対面確認アプリを利用するためには、iOS 18.5以上を搭載したiPhoneへのアプリダウンロードが必要です。Android端末では現在利用できません。iPhoneのマイナンバーカードで本人確認する場合には、インターネットへの接続が必要です。

したがって、そのような自治体の窓口で本人確認が必要な手続きや申請をする際には、プラスチックカードのマイナンバーカードやその他の本人確認書類を持っていく必要があります。

最近のiPhoneは販売価格が10万円以上が当たり前となり、各窓口ごとにiPhoneを整備するのは、各自治体にとってはコスト面で非常に厳しい状況だと思います。また、たとえiPhoneを準備できたとしても、定期的にOSをアップデートしたり、バッテリーが劣化したら買い替えたりすることが必要なので自治体にとっては非常に頭の痛い問題になると思います。

また、個人情報は一部がマスクされているとはいっても、下記の情報が対面確認アプリの履歴として保存されてしまいます。

  • 確認日時
  • 取得した情報の項目名
  • 氏名の冒頭1文字のみ
  • 住所の都道府県のみ
  • 生年月日の日付のみ
  • 取得元のカード種類

したがって、該当の窓口に設置するiPhoneについてはセキュリティ的にも盗難されないように厳重に保管しなければいけません。すぐに持ち歩けてしまうようなiPhoneを各窓口に設置するのは現実的ではないと思います。

各自治体が安価に導入出来て、運用にかかるコストも最低限、盗難等に対するセキュリティ対策も確保するためには、もう少し検討を重ねる必要があるようにも思えます。

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