日刊SPAの「楽天離れが加速・海外ECサイト”Qoo10″が急成長」の記事に強い違和感

サイト運営費捻出のため広告を使用しています

日刊SPAに「楽天離れが加速…”若者から圧倒的に支持される通販サイト”と分かれた明暗」というタイトルの記事が掲載されていました。

“楽天離れ”が加速…「若者から圧倒的に支持される通販サイト」と分かれた明暗 | 日刊SPA!
筆者(田中謙伍)はAmazon日本法人に新卒入社し、現在はAmazonで商品を出品する企業のコンサルティング会社を経営している。Amazon日本法人在籍中に副業でAmazon内で商品を出品し3億円を…

下記の主旨の内容が展開されています。

今回は、日本で急成長している海外ECサイト「Qoo10」と、苦境に陥っている「楽天市場」を比較してみたい。浮かび上がってきたのは、あまりに好対照で残酷な真実だった。

この主張がどこまで真実なのかデータを探してみました。

まずは、楽天市場が苦境に陥っているという主張です。こちらは楽天グループが2023年2月14日に発表した、2022年度における国内EC流通総額のハイライトです。

楽天市場流通総額

このグラフを見る限り、楽天市場が苦境にあるという根拠は非常に乏しいと考えられます。

楽天モバイルへの投資が嵩んで楽天グループ全体で赤字が出ていて苦境になっていることと、この記事の作者は誤認しているのでしょうか。またはあえて楽天のネガティブキャンペーンをしているのでしょうか。

一方で、ナイル株式会社のECモールに関する調査結果が興味深いです。

Appliv TOPICSがECモール最新利用動向を調査、1カ月の利用金額・購入頻度は?|ECのミカタ
・調査方法:インターネット調査・調査期間:2023年6月1日~6月8日・調査委託先:株式会社ジャストシステム・調査対象:15~69歳男女・サンプル数:1979人

最も頻繁に利用するECモール

楽天は32%の人が頻繁に利用するのに対して、Qoo10は2.03%の人しか利用していません。確かに急成長したのかもしれませんが、シェアが低すぎます。サイトを確認してみましたが、取り扱っている商品は確かに若者向けでワイヤレスイヤホンが980円など、とても手に入れやすい商品が前面に出ているものの、良い商品なのか否かはよく判りませんでした。

少なくとも私は楽天経済圏のサービスをたくさん利用していて、楽天市場におけるポイント還元率も高くなっているので、Qoo10を使うことは考えていません。

SPAの記事を誰が書いたのかを調べてみました。田中謙伍氏という方が執筆されています。こちらに紹介がありました。

企業情報 - 代表挨拶 - GROOVE

Amazon日本法人に新卒入社されて、2015年に株式会社GROOVEを創業されています。ECサイトでの成功を支援、後押ししてくれる会社のようです。楽天市場に嫌な思い出があるのかと思い、さらに調べてみると、楽天市場に店舗を出店していることが判りました。

Moi Cool 楽天市場店

スマホのケースやガジェットを扱っているお店のようです。

こちらの「Moi Cool」の会社概要には下記のように掲載されています。

株式会社GROOVE
〒153-0064 東京都目黒区下目黒2-16-22
TEL:0800-222-5065 FAX:0800-222-5065
代表者:田中 謙伍
店舗運営責任者:田中 謙伍
店舗セキュリティ責任者:田中 謙伍
適格請求書発行事業者の登録:あり
楽天市場に出店しているにも関わらず、楽天市場がうまくいっていないような論調の記事を公開した意図は判りませんでした。

コメント