シャープの洗濯機が広告をしゃべり出す、そんな広告配信サービスが8月29日から始まりTwitterで話題になっていました。
コマーシャルを聞くことの消費者のメリットは?
民放テレビであれば、CMを見ることで番組が無料で見られる、これからのNetflixであれば、CMを聴くことで月額料金が安くなるといった具合に、コマーシャルを視聴することによって消費者に何らかの利益がなければいけないと思うのですが、洗濯機がCMをしゃべることにどんな消費者にとっての意味があるのでしょう。
今回の広告配信サービスはシャープのAIoTクラウドサービス「COCORO WASH」と、それに対応する同社製の洗濯機を活用している場合に喋るようです。
「ユーザーの属性や洗濯機の機種、搭載機能など、細かな条件に基づいたターゲティングが可能なため、洗濯関連商品・サービスの認知度アップやバナーのクリック率向上など、より効率的な広告効果に期待できる」としているのですが、どれも広告を配信する側のメリットであって、消費者のメリットが見えません。
まさにこのツイートの通りです。
広告つきモデルを安くする、あるいは広告無しは高くするっていう設定がなぜできなかったんだろうか。日本企業はこういうマーケティング本当に下手。Kindleに学んで欲しい。/「とうとうシャープの洗濯機が広告を喋りだした。お金返してほしい」→これがIoTの未来なんだろうか https://t.co/bgtNruEREM pic.twitter.com/nbyTyA4CvC
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) September 12, 2022
投資効果が計り知れないクラウドサービスを立ち上げてしまい先行投資したので、広告付きモデルの価格を下げるところまでお金が回らなかったのだとは思います。
ちなみに広告配信サービスの第一弾はライオンのプレゼントキャンペーン広告を が8月26日〜9月16日に配信されています。
インターネットへの接続と回避方法?
CMを流す機能のみを単独でオフにできるのかを調べてみたのですが、今ひとつ分かりません。(音声通知そのもの全体をオフにはできるようです)
どうやって、洗濯機がインターネットにつながっているのかも調べてみました。スマホとBluetooth接続してアプリで設定、洗濯機はWi-Fiでインターネットに繋げるようです。
この設定をしなければ、IoTにも繋がらないのでコマーシャルをしゃべり出すことはないのかもしれません。
ただ、洗濯機に通信機能やスピーカーなどの使わない機能が搭載されていることになってしまうので、やはりそのコストを負担している消費者に何のメリットもありません。
シャープの公式Twitterでは下記のように呟かれています。
広告そのものの是非、特にシャープの家電アプリご利用の方はご意見あるかと思いますし、私も私で広告の端くれです仕事する身なので思うところありますが、洗濯機に広告配信を開始します。洗濯アプリに広告が表示され、洗濯機が広告をしゃべるようになります。
思うところがあるならば、広告を配信しないのが企業としての適正な判断ではないでしょうか。
セキュリティは大丈夫?
何のOSやソフトが載っているのかは分かりませんが、脆弱性が見つかった時にきちんとアップデートされるのでしょうか。
例えば、洗濯機のCPUで任意のコマンドを実行できるような脆弱性が見つかった時に、不正アクセスにより、
- 水が入っていないのにモーターを連続回転させて火災を発生させる
- 際限なく水を入れて家中を水浸しにする
といった犯行が行われないのか心配です。
アイリスオーヤマのBluetoothスピーカー付きのシーリングライトでは、他人が勝手に接続して音楽が鳴り出すという問題も起こっています。
無線で色々なものが繋がる時代を迎えますが、セキュリティには相当な対策が必要だと思います。
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