リニア新幹線計画は静岡県が妨害(開通時期が延伸へ)

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 リニア新幹線の開発をめぐって静岡県内では環境問題が引き金になって建設がストップしたままになっています。今回の環境問題の最大の争点は3000メートル級の山脈を貫く南アルプストンネルの静岡工区です。

 静岡県ではここにトンネルを掘る工事の途中で大量の水が溢れ出てしまうことで、静岡県民が生活用水や農業などで利用している大井川の流量が低下してしまうことを県では主張しています。

 JR東海では湧いてきた水をポンプなどで大井川に戻す案「示していますが、地元の納得を得られていません。

 6月26日に川勝知事とJR東海の金子社長が面会しましたが、結局は物別れで終わってしまいました。もはや、2027年の開業は延期せざるを得ない状況に陥っています。

 JR東日本が代案を示していることに対しても、単に受入をしないという状況を静岡県は5年間以上にもわたり続けています。リニア新幹線という国民に大きな利益が損なわれている状況をこのまま静岡県は放置しても良いのでしょうか。すでに川勝知事はJR東海が示してくる案を拒んでいるうちに、引くに引けない状況に陥っているだけのような感じもします。

 会談の中でも、「活動拠点を整備する工事は本体工事とは違うのでよいと思っている。認めるかどうかは条例に則して判断することになる」と述べたあと、会談が終わった後の会見では「本体工事と一体であり認められない」と完全に遮断する答弁に変えてしまいました。いかがなものなのでしょうか。

 川勝知事もリニア新幹線の建設の重要性は認識していると報道されています。だとすればJR東海に対して要求するばかりではなく、静岡県としてこの条件をクリアすれば計画を受け入れるという現実的な案を提示すべきだと思います。

 また、川勝知事の発言を追っていくと、「(JR東海の)社長さんが静岡県が2027年の開業の足を引っ張っているかのごとき発言を繰り返されているのを聞いた。例えば名古屋周辺の用地買収が難航して2019年3月までの用地買収が2021年3月まで延期されたとか、山梨県の南アルプスでは補償訴訟が起こっているとか、あちらこちらで起こっていることを言わないで」という発言もあったようです。一つ一つの問題を解決しなければいけないときに、他の話を持ち出してくるというのは、単に工事の邪魔をしたいだけなのではないかとも思えます。

 川勝知事は来年7月に任期満了を迎えるということですが、ここまで膠着状態が続けば国全体に与える影響が大きいので、すぐにでも知事選を実施して民意を再確認しても良いのではないでしょうか。

【2024年9月25日追記】

 川勝平太前知事(75)の辞職に伴い、静岡県知事選が行われて、無所属新人で前浜松市長の鈴木康友氏が当選しました。リニア新幹線に関しても少しずつ前進しているように見えます。まずは、状況が改善されて良かったです。

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