多摩都市モノレールを運営する会社でサイバーセキュリティ被害が発生し、一般業務で利用しているファイルサーバーがコンピュータウイルスに感染した被害が報道発表されていました。いわゆる身代金要求型ウイルスであったようです。幸いなことにモノレールを運用するためのシステムは別系統になっているため、運行自体には支障が発生していないということでした。
このニュースを調べている中で、多摩都市モノレールの今後の延伸に関する構想の情報を見つけました。
上北台から箱根ヶ崎は延伸可能性あり
現在は立川を中心にはさんで北側の上北台と南側は多摩センターの間を結んでいますが、特に上北台から瑞穂町の箱根ヶ崎駅までの区間については、次期整備路線として優先順位が高くなっているとのことでした。平成28年4月に交通政策審議会からこの区間については、「具体的な調整を進めるべき」とされているようです。
この上北台から箱根ヶ崎の間、約6.7キロメートルについては、新青梅街道の上をモノレールが走る形になります。この新青梅街道自体、現在は幅員が18メートルしかないため、四車線道路として利用している現在は非常に狭いです。特に交差点の右折車線に車が停まっているときは、その横をトラックなどの大型車両が通り抜けるのが大変でどうしても渋滞しがちになってしまいます。
平成17年に東京都がこの新青梅街道を幅員30メートルに拡幅整備する都市計画変更を行いました。この工事が進めばモノレールの橋げたなども敷設できることになります。事業期間は平成24年から平成35年までとされており、5つの工区に分けて用地取得などが行われています。
今の芋窪街道と同じく中央分離帯には4メートルの空間がとられることになっています。この新青梅街道沿線には、武蔵村山のイオンモール、瑞穂のジョイフル本田などの商業施設もありますので、便利になるのではないでしょうか。
多摩センターから町田まで
また、そのほかの構想路線として、多摩センターからさらに南進し町田駅まで続く路線、多摩センターから西に向かい南大沢や京王片倉を通り八王子につながる路線、そして、多摩センターから若葉台、南多摩を通って是政をつなぐ路線などがあげられていました。確かに是政は西武多摩川線の終点駅であり、ここから稲城市や多摩市へ抜ける鉄道はありません。モノレールができると便利になるのではないかと思います。
ただ、これから先は人口減少時代を迎え、徐々に郊外に住んでいる人が都心に回帰する現象も出ています。多摩都市モノレールが走る郊外の人口がどのように推移するかによって、建設コストを賄えるかどうか微妙な形になっていくと思います。今後、多摩都市モノレールの拡充がどのようになるか、気になるところです。
【2020/01/22追記】
上北台から箱根ヶ崎までは先行か?
東京都は多摩都市モノレールの延伸について、上北台駅からJR八高線 箱根ヶ崎駅までの区間について先行して整備を進める方針を固めたことがNHKで報道されていました。2020年度に基本設計を実施する予定です。
上北台駅から箱根ヶ崎駅まではおよそ7Kmの距離があります。すでにルートとなる用地の確保が進んでいるほか、沿線からの要望が非常に強い区間とのことです。
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