大学入試センター試験の「ムーミン」の出題

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ムーミンの家

2018年1月13日と14日の二日間にわたって、全国695の会場で大学入試センター試験が行われました。初日の13日には地理歴史・公民、国語、外国語の順に試験があったのですが、この中の地理Bの問題で「ムーミン」に関する出題があり、ネット上や各種報道で取り上げられました。

問題ではノルウェー、フィンランドを舞台にしたアニメとして、ムーミンと小さなバイキングびっけを掲載し、正しい組み合わせを問う問題でした。

一部からはムーミンの原作者はフィンランド人であるものの、スウェーデン語で作品を書いていることや、ムーミンの舞台はムーミン谷という架空の場所でありフィンランドを舞台にしているとは断定できないという声も出ています。フィンランドの在日大使館は「皆さんの心の中にある」としており、どの国かについての明言をしていません。(ただフィンランド大使館の名刺にはムーミンのキャラクターが使われているそうで、全く関係がないとも言い切れないようです。

ムーミンは現在でも愛されているキャラクターであるものの、主にアニメで最初に放送され人気が出たのは1969年から1990年代にかけてであり、今の高校生には印象が薄いような気もします。埼玉の宮沢湖にはムーミンを題材にしたテーマパークを作っていたりもしますし、これからまた盛り上がることもあると思いますが、ちょっと高校生には酷だったかもしれません。バイキングはノルウェーが舞台であることから消去法でムーミンはフィンランドと関連付けられるため、地理の教科書の知識の範囲で解ける部分もありますが、納得いかない受験生も多かったのでしょう。

大学入試センターとしては、「キャラクターの知識は直接必要なく、地理Bの知識、思考力を問う設問として支障はなかったと考えている」との見解を明らかにしています。ただの暗記モノのテストではなく、知識から思考力を問う設問にしたかっという意図があったのでしょう。

大阪大大学院のスウェーデン語研究室は、「『ムーミン谷』は架空の場所であり、フィンランドが舞台だとは明示されていない」として、根拠を説明するよう求める意見書を同センターに提出することとしています。大学入試センターでは検証を進めることとなりますが、決着がつくまでにはまだ少しの時間がかかりそうです。

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