米連邦通信委員会(FCC)がiPhoneにFMラジオの機能を設けるように要請しているというニュースを目にしました。アップル社としては抵抗をしているようです。
なぜ、そのような要請を民間企業の製品に対して行うのかを確認してみました。すると、ハリケーンの影響により通信基地局が被害を受けて、モバイル通信が出来なくなった地域が数多くあったとのことです。ハリケーン「マリア」がプエルトリコを襲った後、一週間後にも90%の基地局がまだ機能していないということなので、その被害は甚大です。
大きな災害が発生した際にも住人に最新ニュースを届けることが目的
このような状況でも住民に最新のニュースを届けることができるようにFMラジオの機能を使えるようにすることを要請しています。
これに対してアップル社としては、ユーザーの安全は非常に重視しており現代的な安全対策を製品に組み込んでいると回答しています。具体的には、
- 緊急通報サービスに発信可能
- Medical IDをロック画面に表示可能
- 気象注意報や誘拐事件速報を伝える政府の緊急通報サービスを利用可能
iPhone7やiPhone8にはFMラジオに対応できるチップが搭載されておらず、現在のハードではソフトを改善してもFMラジオの電波を受診することはできません。iPhoneではラジオを聴くことはインターネットラジオを利用することを前提にしているように思います。確かに長期間にわたってインターネットが利用できない状況になってしまった場合にはFMラジオが欲しくなります。
最近のスマホではFMラジオを搭載している機種も増えているので、アップル社が搭載する選択をしてもおかしくない状況ではあります。以前、iPodにはFMラジオが搭載されている機種もありました。
今後発売をするiPhoneでFMラジオを受信できるチップやアンテナをハード的に搭載するのか否か、アップル社の判断が気になります。
【2024年7月3日追記】
iPhoneにFMラジオ機能は搭載されずに時間は経過
FCCとAppleの間でどんな調整が行われたのか、その後の推移はよく判らなかったのですが、このエントリーを公開してから7年が経過しても、iPhoneにFMラジオ機能は搭載されていません。
FMラジオ機能が必要であればポケットラジオを準備しておけば済む話しなので、無理にiPhoneがFMラジオを搭載する必要はなかったということなのだと思います。
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