ITmediaの記事を読んでいると、「どっちが正しい? SDメモリカード/SDメモリーカード 論争に終止符を打つ」という記事がありました。
メモリーと長音記号を最後に付けるのか付けないのかについては、現時点ではあまり統一されていないのが事実だと思います。ただ、普通の感覚から考えると、長く伸ばす方が自然に感じるのではないでしょうか。
実はこのような用語の統一については、勤めている会社に決まりがあり、昔、読んだことがあります。その決まりでは、三音以上のカタカナ用語では末尾の音引き「ー」を省略するというものでした。例えば、このようになります。
- コンピューター → コンピュータ
- メモリー→メモリ
- カー
- ストアー→ストア
- インターフェース→インタフェイス
- メーカー→メーカ
- ドライバー→ドライバ
- アクセシビリティー→アクセシビリティ
- タイマー→タイマ
- プリンター→プリンタ
- カレンダー→カレンダ
- ユーザー→ユーザ
- アクセサリー→アクセサリ
規則を読んだ当時はそういうものなのかと特に疑問も持たずに受け入れてしまったのですが、今となってはなぜそうなのかが気になります。調べてみると、こちらにヒントがありました。
戦前に全日本科学技術団体連合会という団体が、工学系の技術用語では三音以上のカタカナ用語の末尾の音引きを省略するのが原則と決めたものが踏襲されているようです。
一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会の外来語(カタカナ)表記ガイドラインにも詳しい解説がありました。
特に昔のコンピューターではメモリや磁気記憶装置などがとっても貴重でしたので、外来語について統一を図るときに、分かる範囲で文字数を減らす目的もあり、三音以上では末尾の音引きを省略したのではないかと解説しているサイトが多かったです。
ただ、2008年になってマイクロソフト社は、国語審議会の報告を基に告示された1991年6月28日の内閣告示二号をベースにしたルールに順次移行することを発表しています。これに寄れば、末尾の音引きが復活する方向となっています。今回の見直しについてマイクロソフト社の解説では、
- コンピューターが広範に普及するにつれ、末尾の長音を省略する傾向の強い工業系、自然科学系の表記に対するユーザーの違和感が増大している
- ハード、ソフト上の制約が技術進歩とともに解消されて、より自然な表記が可能になってきている
- 読み上げソフト等、アクセシビリティ向上においても自然な発音が求められている
といった理由が紹介されていました。
確かにメモリーや外部記憶装置の容量は飛躍的に拡大したので、あえて分かりにくい省略語を今さら使わなくても良いだろうというのは自然な流れなのだと思います。
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