NTTドコモは従来は各社から提供されている機種を公平に扱い販売を続けてきましたが、この夏モデルからは、数ある機種の中から二機種のみを優待するツートップ戦略を開始しています。
SankeiBizの報道によると、ツートップ戦略の対象機種と、対象外の機種の間に、大きな販売台数の差が発生しているそうです。
記事によれば、6月末の販売台数は下記の通りです。
まず、ツートップ選定機種
・SONY Xperia A 83万台
・SAMSUNG Galaxy S4 40万台
それ以外の機種
・SHARP AQUOS 7万台
・富士通 アローズ 7万台
・パナソニック エルーガ 1.5万台
・NEC メディアス 1万台
ソニーのXperiaが83万台も売れたというのは凄いことだと思いますが、反面、NECメディアスは1万台しか売れていません。パナソニックのエルーガは1万5000台ですが、すでに6月末の段階でパナソニックはドコモ向けの新製品供給を今冬以降は見送る方向で検討に入ったと東京新聞が報じていました。確かにこれしか売れていないと、開発費の回収が難しいのではないかと思います。
ツートップの機種が幾らで販売されたのかも記事では紹介されていました。Xperiaが5000円、Galaxyが1万5000円だったのだそうです。他の機種は3万5000円前後ということですので、ソニーのXperiaがよく売れた理由も良くわかります。
ドコモでは今後とも季節の商戦ごとに主力で販売する機種を個別に選定する方針なのだそうです。今度は10月に秋冬モデルが発表されますが、もしかすると別の機種が、重点販売機種に選定されるかもしれません。
【2013年7月11日 追記】
日経新聞の報道によると、6月のMNPの数字で、KDDIが8万5300件、ソフトバンクモバイルが5万9900件の転入超過であったのに対して、NTTドコモは14万6900件の転出超過になってしまったそうです。
ツートップ戦略によって、新しくdocomoユーザーが大きく増加するような効果は無かったようです。
また、日経系のサイトでは「まもなく、docomoからiPhoneが提供される模様」という報道をときどき実施してきましたが、今回は逆に「ドコモのiPhone発売は当面なし」と明確に書いています。
この根拠として、現在でもドコモの社長がアップルに遠慮することなく、iPhoneに対して自由にコメントをしているからだとしています。もしも、iPhone5Sからドコモが取り扱いを開始するのであれば、そろそろAppleとの契約が終わっているはずで、もし契約がされているのであれば、iPhoneに関して何も話してはいけないという決まりに拘束されるはずだからです。
ただ、ドコモとしても、このまま転出超過の状況を放置しておくことはできないはずです。ツートップ戦略をとったのは、iPhoneを扱うための布石ではないかとの観測も当初はありましたので、今後の動きが気になるところです。
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