米国Intelが4月16日に発表した2013年第一四半期の決算の状況がメデイアで報道されていました。
これによると、前期に続いての減収減益となってしまったそうです。売上高は3%減、純利益は25%減でした。
インテルのセグメント別の決算
セグメント別で売上をみると、
PC向けMPU 売上6%減
サーバ向け 売上8%増
スマホ向け 売上9%減
となっています。
Intelとしては主力はパソコン市場になりますが、タブレットなどに需要がシフトしたことに伴ない販売不調の影響を受けた形になっています。
タブレットやスマートフォンの世界ではIntelのCPUは少数派になっています。ARMにより提供されているNvidiaのTegraなどのARMアーキテクチャが一般的になっています。
ARMアーキテクチャのコアは出荷台数が伸びており、Wikipediaによれば、2008年1月に100億個以上、2010年9月に200億個以上が出荷されています。
また、もともとは32ビットアーキテクチャでしたが、2011年の10月には64ビットに拡張したARMv8アーキテクチャを発表しました。
スマホやタブレットの台頭でARMが台頭
タブレットが普及し始める前は、OSはWindows、パソコンに搭載されているCPUはIntelという組み合わせが常でした。ところが、タブレットはiOSかAndroidがOSとして採用されており、IntelのCPUは前提となっていません。
さらには、今までIntelと蜜月の関係であったWindowsも、ARMアーキテクチャ向けの、Windows RTを発売しました。このOSはタブレットなどにプリインストールされて出荷される形になります。
Intelもこのままシェアが縮小して行く状況を静観するわけにはいきませんので、スマートフォン向けの次世代CPUを開発しています。
ITmediaの報道によれば、
- CPUアーキテクチャは現行のAtomプロセッサやCoreプロセッサとも異なった全く新しいアーキテクチャになる
- クアッドコアモデルが用意され現世代の2倍以上のパフォーマンスを実現する
- グラフィックコアは、Ivy Bridge世代と同じIntel HDグラフィックスベースとなり2から3倍の性能アップを図る
- I/O機能が強化される
などの特徴をあげています。しかし、この新型チップをもってしても、ARMの牙城を壊すのは難しいのではないかというアナリストの予測もありました。
さらには、ARMアーキテクチャのプロセッサに支配されているタブレットへ需要が移ることを嫌って、Intelではノートパソコンとしてもタブレットとしても使える新しいデザインのパソコンを提唱しています。しかし、これらのパソコンは重くて値段も高めに設定されているので、あまり売れ行きがよくありません。
このような用途では、普通のタブレット端末にBluetoothのキーボードを接続してノートパソコンとして使う使い方が一般的になるのではないかと思います。
そろそろ、MicrosoftとIntelが築いてきた鉄壁とも思えた仕組みに変化の兆しが現れているのかもしれません。
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