NTTドコモのeggyの活用(PHS通信機能を備えた35万画素デジカメ)

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MPEGカメラ

 MPEGはカラー動画の圧縮形式として広く知られています。フルカラー画像を非常に効率的に圧縮することができるため、ビデオCDなどで使われているのもこのMPEGのうち初期に規格化されたMPEG1というフォーマットが使われています。以前はパソコンの能力が低かったために、MPEGで圧縮された動画をもとに戻す作業をCPUに任すことができずに、再生に専用のボードが必要でしたが、最近ではパソコンの能力が大幅に上がったため、ソフトウエアだけで再生できるようになりました。

 このMPEGムービーですが、MPEGで圧縮された動画を見ることはどんどん簡単になってきていて、今やPDAでさえ可能になってきていますが、逆にMPEG動画ファイルを自分で作ろうとすると、専用のボードやソフトウエアが必要になります。

 このMPEGムービーを直接撮影できるカメラが発売されてきています。最初は日立が「MP-EG10」というカメラを発売しました。データはタイプ3のハードディスクカードに記録し動画ならばファインモードで約20分、静止画ならば約3000枚記録できるという商品でした。このカメラで撮影した映像はそのままMPEGファイルとしてタイプ3のハードディスクカードに記録され静止画はJPEG形式で記録されますので、撮影後にそのまま転用できるのがとても便利です。

 その後、SHARPでもインターネットビューカムというMPEG4という圧縮形式で動画を直接記録できる商品を発売しました。上記の日立の製品はMPEG1というフォーマットで記録しているのに対し、SHARPのインターネットビューかむでは、更に圧縮率が高いMPEG4を採用しているため、より長時間の録画が可能になっています。このSHARPのインターネットビューカムが、ここで紹介するNTTドコモのeggyの先祖にあたる機種ということになります。

eggyの紹介

 いよいよeggyの紹介です。NTTドコモが発売しているeggyという端末です。見た目は、まるで子供のおもちゃのように「ちゃち」な感じがするのですが、実はこの中には非常に有効な機能が満載されていて、この商品はかなりの優れものだと私は思っています。

 本来はNTTドコモが提供するM Stage VisualというサービスをPHSを使って受信するための端末なのですが、実はその本来の機能以外に使える機能がたくさん付いています。たとえば、デジタルカメラのように静止画像を撮れるほか、デジタルビデオカメラのように動画も撮ることができます(動画はMPEG4形式で録画されます)。さすがに画素数は高級なデジタルカメラのようにメガピクセルには及びませんが、低価格カメラ並の35万画素のCCDを搭載しています。ホームページ画像等を撮るにはちょうど良いサイズだと思います。しかも私が買ったときは近くの携帯電話屋の特売で3980円で入手することができました。通販をはじめ、オークションでも、ほとんど1万円以下で入手することができるようです。おもちゃデジカメ以上の十分な機能があって、この値段というのは非常にリーズナブルではないでしょうか。

(1) 静止画撮影機能

 静止画を撮るときのサイズは3種類から選ぶことができます。

 160px×120px/320px×240px/640px×480px

 一番大きい640×480を使っても、15MBのコンパクトフラッシュで200枚近くの画像を撮ることができるので、あえてこれより小さなサイズを選ぶ価値は無いように思います。640×480を選択したときにメニューで選べる項目は以下の通りです。

  • 静止画設定    カスタム  標準
    • ここは迷わずカスタムを選ぶ
  • 画像サイズ     640×480
  • 撮影モード     ファイン  ノーマル
    • ここも迷わずファインを使用
  • メモリ        カード  本体
    • コンパクトフラッシュを使っているときはカードを選ぶ
  •  表示        入    切
  •  セルフタイマー   入    切 
  •  逆光補正      入    切
  •  ホワイトバランス オート 白熱灯 屋内 屋外

(2) 動画撮影機能

 動画を撮影するときのサイズは以下の2種類から選ぶことができます。

 160px×120px、320px×240px

 動画を撮るときのメニューは以下の選択ができます。

  • 動画設定     カスタム  標準
  • 画像サイズ    320×240  160×120
  • 撮影モード    ファイン  ノーマル (160×120のときだけ選択可)
  • データ制限    切   40KB  100KB  300KB  
  • 音声モード    AD-PCM AMR
  • 表示       入   切
  • メモリ      カード   本体
  • 逆光補正     入   切
  • ホワイトバランス オート 白熱灯 屋内 屋外
  • インターバル動画 切 X10 X40 X100 

 参考にeggyでとった動画を何の加工もせずに持ってきたファイルを添付します。

(3) eggyのスペック

主なスペックは以下の通りです。

外形寸法131(W)×81(H)×39(D)mm(突起部除く)
質量約225g(リチウムイオン充電池含む)
入力方式タッチパネル(ソフトウェアキーボード)、十字操作キーならびに操作ボタン
表示部TFT低温ポリシリコンカラー液晶(557×234ドット、バックライト付)
カメラ/レンズ部35万画素プログレッシブCCD 搭載
適用回線NTT ドコモPHS 回線(64kbps/32kbps)
通信速度64kbps(最大実効速度58.4kbps)32kbps(最大実効速度29.2kbps)
搭載機能M-stage visual サービス対応、簡易ブラウザ機能、パルディオEメール※1・mopera POPメール・インターネットメール機能、アドレス帳機能、動画・静止画撮影機能、動画・静止画アルバム機能、動画・静止画編集機能
記録媒体本体メモリ(約6MB)/コンパクトフラッシュ※2(メモリカード、市販品)
カード挿入部コンパクトフラッシュカードスロットType /Type (3.3V)
接続ケーブルコネクタ部PHS接続コネクタ
電源専用リチウムイオン充電池(付属)、専用ACアダプタ(付属)
使用時間/枚数連続表示時間:静止画約70分、動画約70分
連続撮影時間:動画約65分
連続撮影枚数※3:静止画約140枚
連続通信時間:約70分(32K/64Kパルディオならびに専用接続ケーブル使用時)
約60分(P-in Comp@ct 、パルディオ611S/341S使用時)
充電時間約2.5時間(専用リチウムイオン充電時、専用ACアダプタ使用時)
※1以下の機種は本機でのパルディオE メールに対応していません。
311S 、311N 、311T 、311M 、311P 、311Y 、312S 、312D 、313S 、313P 、411P
※2本体に同梱されている動作確認済一覧表をご参照ください。
※3撮影条件:16MB コンパクトフラッシュTMを使用し、30 秒毎に1 枚撮影、“メモリフル”となったらメモリ全消去して継続した場合。

(3) eggyでとった静止画像

 参考にEggyでとった静止画像を貼り付けておきます。サムネイルになっていますので、写真をクリックすると元の大きさの画像を見ることが出来ます。(埼玉県飯能市にある「あけぼの子供の森公園」というところに行ったときの写真です。ムーミン屋敷とかがあり、子供は非常に喜ぶと思います)

(4) eggyの変わった使い方  (2002.12.30)

 eggyを使ってきた中で、一番使い勝手が良かったのは、会社で行われる会議の録音(録画?)です。これを使うまでは主にMD録音機を使用していたのですが、録音で約2時間が限度になるうえ、議事録を書き起こすときに、イヤホンを付けたまま、ボタン操作で止めたり再開したりを繰り返して、議事録に書いていかなければいけません。ところがeggyであれば、コンパクトフラッシュのリーダーをデスクトップパソコンにつなげておくだけで、WINDOWS MEDIA PLAYER等の動画再生ソフトで直接再生することができます。また、バーを操作することで、会議の中の好きな場面へ急に移ることも可能です。たとえば、会議の中で誰かが資料を説明しているときは議事録に書き写す必要はありませんので飛ばすことができますが、これをMDプレーヤでやると結構面倒くさいです。さらに議事録をとっているのと同じパソコンで再生させれば良いだけなので、操作は非常に簡単に行えます。議事録をとるために会議の模様を録音しておくのにはもってこいの製品ではないでしょうか。

(5) eggyの変わった使い方 その2   (2003.3.8追記)

 ここまでは、主にeggyを撮影するための道具としての使い方を紹介してきましたが、本製品はコンパクトフラッシュの中に入れたMPEG4ファイルの再生マシンとしても活路があります。たとえば、こちらのページで紹介しているCE-VR1でコンパクトフラッシュに録画したドラマをこのeggyを使って再生することができるのです。しかし、一点だけ注意が必要です。もとは同じSHARPの製品なのですが、それぞれ、ディレクトリの構造に異なっている部分があります。

コンパクト
フラッシュ
の中の
ディレクトリ
構造
X:–\
  |
  -\Dcmv ← CE-VR1が動画をを入れるフォルダ
  |
  -\Vphone-\Dcmov ← eggyが動画を入れるフォルダ

 従って、CE-VR1で動画を録画した後にeggyが認識するフォルダに動画ファイルを移動しなければいけません。これを毎回実施していてはたいへんなので、考えられたのが、CE-VR1 & eggy共用カードパッチャー(EXE版)です。これを使うと、「論理的にはディレクトリは分かれているけれども、実は2つのフォルダが指す実体は同じところ」というコンパクトフラッシュを作ることが出来ます。このコンパクトフラッシュにCE-VR1で動画を録画すると、動画ファイルを移動すること無しにeggyからも読み込むことができるというコンパクトフラッシュを作ることが出来ます。

 しかし、このコンパクトフラッシュは絶対に「スキャンディスク」をかけないでください。2つのでディレクトリが一つの同じ物理的な場所を指しているという状態はいわば壊れている状態なので、復旧されてしまいます。復旧すると当然、CE-VR1とeggyで動画ファイルを共有することはできなくなってしまいます。

 他にeggyとCE-VR1を一緒に使っていくときの注意点をもう一つ整理しておきます。eggyでサポートしている映像のサイズは、320240と160120の2種類のみです。従って、CE-VR1で録画するときの映像サイズは320240か160120のどちらかに設定します。240*176の映像はeggyでは直接は再生できません。eggyのディスプレイに「サムネイル無し」と表示されてしまいます。

eggyの入手 (2005.8.5追記)

 既にeggyが発売開始されてからかなりの期間がたったためか、もう新品のeggyを見かける機会は無くなってしまいました。これから入手するとオークションや中古パソコンショップなどで入手するのが一番手に入りやすいと思います。中古パソコンショップへのリンクを掲載しておきます。

動画デジカメ

 最近ではeggy本体や関連商品を新品で見かけることはほとんど無くなってきてしまいました。しかし、最近発売されているデジカメの多くには動画撮影機能が付いてきているので、逆にeggyを持ち歩く必要が無くなってきたともいえます。私自身も、コニカミノルタのDiMAGE XTという商品を、ビックカメラの福袋で手に入れてからというもの、このカメラの動画撮影機能はどんどん使うものの。今さらeggyを持ち歩くことは無くなってしまいました。そこで、最近になって、eggyはYahoo!オークションを通して売却しました。

 動画機能の付いているデジカメの一覧を楽天市場で扱われている価格の安い順に表示させるリンクを掲載しておきます。

動画ケータイ (2005.8.5追記)

 デジカメで動画が撮れるのも凄いと思っていたところ、今度は携帯電話でも動画を撮ることができる携帯電話が一般的になってきました。特にNTTドコモが販売するFOMA対応の携帯電話などでは、テレビ電話を意識しているため、動画関連の機能は色々付いています。そんな動画撮影機能付きの携帯電話であるNTTドコモのF901isという機種を購入しました。この商品のレポートを「F901isのページ」に掲載しましたのであわせてご覧ください。

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