1.購入に至る経緯
IBMのTHINKPAD235(チャンドラ2)といっしょにIBMのPC110を合わせ技で使っていたのですが、さすがにPC110のスペック(CPUが80486相当)では物足りなくなってきました。持ち歩きに便利で、ある程度の性能を持っているパソコンを探しているときに、リブレットモバイルパック3騒動が発生しました。この騒動というのは、ある価格情報を扱っている掲示板で、「新宿駅近くの携帯電話を売っているところで、リブレットモバイルパック3が4万9800円で売り出されている」という情報があったのです。それからというもの、同じ掲示板をのぞいていると、あちこちで4万9千8百円で売られているという情報が出てきました。
2.オリンピック
そんな騒動が繰り広げられているとき、毎週金曜日に東京近郊等にあるオリンピックという量販店のチラシが私の家では新聞の折り込み広告で入ってくるのですが、そこに、リブレットモバイルパック3が4万9千8百円という広告がとうとう入りました。
金曜日から売り出しですが、特に数量限定等の注意書きは入っていません。掲示板を見ていると、これはうちの近くのオリンピックの広告だけでは無く、いろいろなオリンピックの店舗の広告にも入っているらしいことが判りました。しかし、皆が血眼で探し回っているリブレットM3のようなものが、そう何十台もオリンピック全店で確保できるとも思えません。台数はあまり確保できていなかったものの、まさかこんなに人気がある商品だとは思っていなかったため、そのままチラシにすりこんで配ってしまったという感じでしょうか。
きっと、山のような問い合わせ電話が殺到していたに間違えありません。金曜日は会社があるので、朝10時にオリンピックの店頭に着いて1台買ってくるように妻に頼んで、その日は会社に行きました。会社から帰って妻に話しを聞くと、お目当てのリブレットは予約扱いで、その日の先頭から2番目の予約が出来たが、後から来た人には、予約すら受け付けていなかったと言っていました。
最初の方の人には、予約を受け付け、お金も受け付けていたらしいのですが、途中の人は予約だけ受付けてお金は受け取らず、しまいには予約も受け付けないようにしたようです。どうも希望者数分だけLIBRETTOが納品されないことが判ったがために取った措置だったようです。最初にお金を払って予約を受け付けた分の人には何とか機械を納めようという考えだったようです。それから2週間程度待って、やっとオリンピックから電話があり、商品を手にすることが出来ました。
3.バッタ屋さんでの売り出し
オリンピックへ商品が届くまでの間は、本当にオリンピックで商品が確保できるのか否か、非常に不安でした。そんなとき、最初に騒動が起きた掲示板を見ていると、あるバッタ屋さん系のお店のホームページで、リブレットM3が4万9千8百円で売りに出されているという掲示を見つけました。
すぐに該当のお店のホームページを確認後、電話を手に持ち電話をかけると、お店の人はまだ商品が余っているといいます。すぐに代引きで発送をお願いしました。ばった屋さん系というと、「商品を売ってやるんだ」的な印象をもっていたのですが、ここのお店は非常に電話の応対が丁寧だったことが印象的です。しばらくたってから同じホームページを見るとすでに完売の表示が付いていたので、こちらも掲示板を見たお客さんからの電話が殺到したのだと思います。
そして注文した商品はすぐ翌日の朝には手元に届きました。取り引きをしたことが無いお店から買うときは、やはり代引きによる購入が、商品が届くまでの時間は早いし、商品が届いたことを確認してからお金を払えるので安心です。(後からオリンピックに発注した分も手元に届いたため、一時期、二台が手元にあったことになります。オリンピックから買った方はYahoo!オークションで売りに出しました)
4.リブレットM3とは?
紹介が遅れましたが、リブレットモバイルパック3(通称 リブレットM3)とは、NTTドコモが発売するモバイルパソコンです。しかし、東芝からは直接は同じスペックのパソコンが発売されることはありませんでした。
ドコモがいろいろな要望を東芝に依頼して実現したモデルだと思われます。NTTドコモは携帯電話の多様な使い方を消費者に提案するために、各メーカからOEM提供を受けつつ、いろいろなモバイル端末の発売をしていますが、そのひとつがこのパソコンでした。(今は商品ラインアップを見ても、WINDOWS CEまででパソコンそのものは無いですね)
ドコモは商品を発売してからしばらく立って陳腐化の兆しが見えると、急に非常に低価格で流通にのせて商品を処分することがあります。このときがドコモの商品を買うチャンスです。たとえば、カシオのPDAであるGFORTが1万4800円、カシオペア FOR DOCOMOが9800円、SIGMARION2が2万2800円等の例があります。
ほかにもNECからOEMを受けたモバイルギア、SHARPのZAURS(コミュニケーションパル?)のOEM提供も受けて商品を発売していた時期もありました。いずれも、一時期にモバイル端末でスタンダードとなったモデルばかりです。
このリブレットモバイルパック3の仕様は以下の通りです。
機種名 | Libretto Mobile Pack 3 (Libretto M3) |
CPU | Intel MMX Pentium 133MHz(66*2) |
2次キャッシュ | 256KB |
メインメモリ | 標準32MB 最大96MB |
ハードディスク | 2.1GB |
ディスプレイ | TFT6.1インチ(VGA) |
ビデオチップ | MagicGraph 128ZV |
5.不満な点 (2003.1.4追記)
マザーボードはUSBをサポートしているのですが、本体にUSB端子がありません。付属のポートリプリケータを付ければUSBが使えるようになるのですが、ポートリプリケータを持ち歩いては小型のマシンを買った意味がなくなってしまいますので実質的には外にいるときはUSB機器を使うことができなくなってしまいます。M3ユーザの中には本体を改造して、USB端子を本体に搭載している方々もいらっしゃいます。インターネットで検索を行ってみてください。
6.改造 (2003.4.27追記)
オーバークロック
このスペックのパソコンが5万円弱の値段で手に入るだけでも驚きだったのですが、実はこのパソコンにはもっと驚きのポイントがあります。実はノートパソコンでありながら、クロックアップが出来てしまうのです。CPUが133HzのMMXペンティアムという表記になっていますが、実はこのようなCPUはINTELでは存在せず、166MHzのCPU(MMX-PENTIUM)をクロックダウンさせて使っているようです。従って、定格と比べてもCPUには余力があることになります。しかも、この166MHzのMMXペンティアムというのはデスクトップの世界では比較的CPU耐性が高くクロックアップの報告が多数行われていたCPUです。CPU近くに端子が盛り上がった部分(ランド)が6つあるのですが、166MHzから266MHzまでの選択が可能なようになっています、私は233MHzで常用していました。ハンダ付けする場所が非常に小さくて、かなりの技術が要するのですが、成功したときには、体感速度もかなり上がります。
CPUをオーバークロックしたときに一番問題となるのが、その熱の処理なのですが、かなり本体は熱くなりましたが、熱が原因と思われるような故障とか暴走等は私は発生しませんでした。しかし、これは運が良かっただけのことかもしれませんし、当然のことながらメーカ保証の対象でも無くなってしまいますので、試される方は、あくまでも自己責任で実施をお願いします。
ハードディスクの換装
ハードディスクについては、デフォルトでは8.45mmの厚さのモデルが搭載されています。この8.45mm厚というハードディスクは実は東芝の古いHDDのモデルでしか発売されていなくて、最近の大容量のハードディスクはだいたいが9.5mm厚になっています。昔のLIBRETTOのモデルによっては8.45mmのハードディスクを搭載したモデルにこれより厚いハードディスクを入れようとすると、いわゆる裏切りといって、LIBRETTO本体の底板を切り取って、無理矢理にハードディスクを内蔵させるということをしていた時期もありました。
しかし、LIBRETTO M3では若干の工夫(ハードディスクの下に敷かれている黒いシートをはがす)で、現在2.5インチのハードディスクでは一般的になってきた9.5mm厚のHDDまで使うことができます。大容量モデルの中には12.5mm厚というHDDも存在するようなので購入時にはご注意ください。12.5mmのハードディスクは底板を切り取らない限り内蔵させることはできないと思います。
また、なかには物理的には搭載できても、認識しないなどの理由でうまく使用できなかったHDDも存在するようです。インターネット上でリブレットM3の換装実績のあるHDDを購入することをお勧めします。古いリブレットでは簡単にHDDが換装できたようですが、リブレットM3は、パソコンをかなり分解しないとHDDの交換ができないので、その点は不便になりました。かなり細かい作業も必要になりますので、腕に自信のある方にお勧めします。
7.外観
このパソコンのボディはリブレット70と同じ外観なのですが、中に入っている基盤はどちらかというとSSシリーズに近いマザーボードが入っているようです。従って、PCMCIAカードを入れるスロットの位置が従来の機種とは逆側になっています。ポートリプリケータやUSB外付けFDD、そして携帯電話の接続ケーブルが標準で付属してきますので、たいへんにお得です。
8.サポート
NTTドコモの製品なので基本的に故障等の対応はドコモのお店に頼むのが原則です。しかし、Docomoの製品ではありますが、東芝に専用のサポートホームページがあります。こちらで、リブレットモバイルパック3のシステムアップデートモジュールを入手することができます。逆にNTTドコモのホームページでは公開されていないようです。
9.本皮製カバー
ダイエー系列のメディアバレーというコンピュータ関係を取り扱うお店がインタ-ネット上にもお店を構えていたころ、「お買い得品」のコーナーにリブレット用の本皮製カバーがわずか100円で売られていました。製造元のホームページもあわせて確認してみると、基本的にはリブレット70までが対象だったようで、PCMCIAスロットの穴の位置が逆等の不都合はあるようですが、問題なく使えるようでしたのでさっそく、購入してみることにしました。商品が届いて装着してみると、たしかに少し小さめで、フックを止めるのには少々力が要りましたが、一回かぶせてしまえば、非常に格好よいマシンに生まれ変わりました。これ以降、常にこの本皮製カバーは愛用しつづけました。
10.その後
このパソコンでもスペックがだんだんと不足してきて、富士通のLOOXを購入し、このパソコンの使命は終わりました。自分で使用していたレザーケースを付けて、そしてUSB外付けFDDは、そのままLOOXで使用できたので、これを除いたかたち(もちろん注記を付けて)で、Yahoo!オークションで売ったのですが、最初の購入価格より高い価格で買ってくださるかたを見つけることが出来ました。
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