前々から話が出ていましたが、とうとうHISが長崎のハウステンボスを香港に拠点を置く投資会社のPAGに666億円で売却することを発表しました。PAGはUSJへも出資した実績があることが報じられていました。ハウステンボスの株式は九州電力、西部ガスホールディングス、九電工、JR九州、西日本鉄道も保有していますが、これらは一旦HISが取得することで、PAGは100%の株式を取得する予定になっています。
ハウステンボスは中世のオランダの街並みなどを再現したテーマパークとして1992年3月に開園しています。2000億円もの巨費を投じて開発されたということなので当時は大きな話題になりました。
その後、何回かの経営難にみまわれて経営主体が変わってきましたが、2010年にHISが20億円を出資して支援、HIS創業者の沢田氏がハウステンボスの社長に就任しています。その後、冬場のイルミネーションなど数々のイベントを成功させて、ハウステンボスの運営を軌道に乗せます。HISの功績はとても大きかったと思います。
更にその後、新型コロナウイルスの流行もあり来場者低迷によってハウステンボスも危機的な状況に陥りましたが、クリスマスなどの季節ごとのイベントを強化することにより業績を回復させて、2022年3月の中間連結決算では営業利益が黒字の3億9200万円となっています。
春はチューリップ祭やバラ祭、あじさい祭、華やかなパレードやショー、街全体がお祝いムード。夜は壮大なイルミネーションにパークが埋め尽くされて幻想的。光の噴水ショーとなるウオーターマジックなど、見所が多くあります。
一年間を通じて花火を楽しむことも出来て、音楽と花火のコラボレーションは必見と宣伝されています。屋内プールや屋外プールなどリゾートのような感覚で非日常を味わえたり、VRの最新技術を用いたアトラクション、グルメやスイーツ、しかもハウステンボス温泉など、お客さんを呼ぶには十分な施設がそろっています。
HISとしては、これだけ力を入れて盛り上げてきたハウステンボスを手放すのは苦渋の決断だったと思うのですが、本業の旅行業の方が新型コロナウイルスの影響で非常に厳しい状況になっているので、キャッシュを手に入れるためには致し方ない決断だったのだと思います。
今後のハウステンボスがカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の候補地としての動きも含め、どのようになっていくのか気になるところです。
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