環境省がアメリカザリガニを特定外来生物に指定の方針

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突然の報道で驚きましたが、環境省がアメリカザリガニを特定外来生物に指定して野外で繁殖しないように規制する方向で検討に入りました。早ければ2023年から規制の対象となります。特定外来生物に新たな区分を設けて輸入や販売、野外に放出することを禁止する方針です。

日本には昭和2年にウシガエルの餌用として鎌倉食用蛙養殖場に20匹持ち込まれたのが最初とされています。養殖池から逃げ出した個体が1960年ごろまでには九州まで分布域を広げたということなのですが、人の手を介して分布を広げたので分布地は都市近郊に点在しているとWikipediaでは紹介されていました。

報道によれば東京都の武蔵野市と三鷹市にまたがる井の頭恩賜公園では毎年アメリカザリガニの駆除が行われていて、2019年には約3000匹、2020年には約9000匹が駆除されました。しかし、非常に繁殖力が強くて、捕獲と繁殖がイタチごっこになってしまっています。

水草を切断してしまうので、水草を棲み処にしている水生昆虫や水草を産卵場所にする生物に影響を与えるほか、水生昆虫を捕食することにより、ゲンゴロウなどの激減の一因になっていると言われています。

環境省の公式サイトでは、アメリカザリガニによる被害は下記の2つが挙げられていました。

(1)在来種への直接的な影響
種間相互作用、生態系全体への影響
(2)在来種への病気の媒介
アメリカザリガニが既に蔓延している水域でも、捕獲し低密度状態にしたことにより、カエル類、魚類、水生昆虫類、水生植物が劇的に回復した事例が報告されている。

特定外来生物に指定をすると輸入や販売だけではなく飼育にも国の許可が必要になってしまうため、今まで指定の是非が議論されてきました。子どもが遊びで釣り上げたり、それを持ち帰った場合の扱いなどは今後詰めることになっています。

アメリカザリガニはペットショップなどで販売されていることもありますが、特定外来生物に指定された場合は販売自体をやめることを検討しているショップもあるようです。

特定外来生物への指定によってアメリカザリガニはあまり身近な生物ではなくなるかもしれません。

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