山間部などで固定電話を携帯網で代替を認める方向

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総務相の諮問機関である情報通信審議会では山間部などの過疎地域で固定電話網を携帯電話網で代替する内容を盛り込んだ報告書をまとめました。従来はNTT東西が固定電話サービスを提供する全設備を自らが設置することが義務付けられてきました。これは電電公社が民営化した際に過疎地域の電話に対する投資が抑え込まれてしまい生活に支障が出ることを防ぐために盛り込まれた内容です。

制度ができた当時はNTT東西の中で採算地域から不採算地域の地域間補填を行う形でユニバーサルサービスが成り立っていましたが、その後、第二電電等が採算地域に参入してきたことで、NTT東西の中だけで補填が難しくなってきたので、NTT東西以外の会社からもコストを負担する新たなユニバーサル制度が2006年から施行されています。(ブロードバンドインターネット接続のサービスについては基礎的電気通信役務としての提供が求められていません)

しかし、人里離れた山間部に固定回線を通すとなると、何本もの電信柱を立てて家屋まで固定回線を引き込まなければいけません。住宅地のように近くの電信柱から引き込めばよい世界とはまるで違う大きな工事になってしまいます。また、今回の台風被害のように電信柱が倒れてしまった場合は電話が不通になってしまうほか、復旧にも時間を要します。9月の台風15号では最大で固定回線17万回線、10月の台風19号でも8000回線以上の固定回線で被害がありました。

そこで考えられているのが携帯電話網を含めた他者の設備を利用できるようにすることです。携帯電話であれば基地局を設置すればそこから電波が届く範囲なら通話をすることができます。NTTドコモなどでは人が住んでいる場所であればかなりの網羅率で通話ができるようにしてきていますので、これは現実的な解決策だと思いました。インフラ投資という面でも固定回線と携帯回線の二重で投資する必要がないため効率的だと思います。これから人口減少を迎える日本では今回のような柔軟な制度改正が他の分野でも必要になるのではないかと思います。

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