
インターネットの黎明期
ずっと昔は家庭でインターネットをするためには、電話回線にモデムを接続して、プロバイダが準備しているアクセスポイントに電話をして接続していました。しかもスピードは2400bps,9600bps,28800bpsというレベルで、現在の100Mbpsといった通信速度とは比べものにならないほど、遅いものでした。少し大きな画像ファイルをダウンロードするのにも、恐ろしい時間がかかっていました。
常時接続環境へ
その後、ISDNが登場しました。64Kbpsの通信ができるようになりました。それから間も無くして、ADSLが登場しました。これが本格的な家庭用ブロードバンド環境となりました。いつでもインターネットに接続されていて、いくらアクセスしても定額で済むのは、とても夢のような環境でした。
ただ、電話局からの距離、メタルケーブルの敷設状況などによって、なかなか期待したほどのスピードが出ない場合もありました。ADSLからほどなくして、光ファイバーも自宅にひくことが出来るようになりました。ADSLは電話のためのメタルケーブルを兼用しているのに対して、光ファイバーは別にケーブルを引き込むことになります。ただ、光ファイバーに変えると、大きく世界が変わるのではないかと期待しました。
光ファイバー
私自身はBフレッツというサービスに加入しました。NTT東日本が提供しているサービスです。光ファイバーに変えたらどれだけ早くなるのかとても楽しみでしたが、意外なことに、ISDNからADSLに変えたときほどの驚きはありませんでした。ADSLだろうがBフレッツであろうが、常時接続であることには変わりが無く、ADSLでもインターネットをする分には十分に早かったためではないかと思います。ただ、光ファイバーに変えたことによって、毎月の通信コストは随分高くなってしまいました。また、固定電話もメタルケーブルを利用するサービスではなくて、ひかり電話に乗り換えました。
そして無線へ
そして最近、固定電話も常時接続回線も特にひかない家庭も増えてきました。iPhone5などのスマホを持っていれば、テザリング機能により、家中のWiFi機器がインターネットに接続出来るようになるためです。これならば、スマホの契約さえしておけば、Bフレッツや光電話などの特別な契約をする必要は無くなります。これは通信コストの削減に大きな効果があります。
私自身はniftyをプロバイダーにしてBフレッツを利用していますが、これが無くなれば、ずいぶん月々の支払いが楽になります。すでにスマホを持っている人が実家から独立した場合のことを考えると、確かにわざわざ固定電話を引いたり常時接続回線をひこうとは思わないでしょう。これからは常時接続回線を引いている家庭の数はどんどん少なくなっていくのではないかと思います。
スマホでテザリングをすると、そのスマホを持ち出してしまうと、残っている家族はインターネット接続が出来なくなるという欠点がありますが、今やスマホは一人一台の時代なので、自分のスマホを使ってテザリングをすれば問題ありません。
まだ、3G回線やLTE回線は回線容量面から見て不安なところもありますが、間違えなく各社は、インフラの整備をこれからも続けるはずです。現在の常時接続環境並みに安定した通信が出来るようになるのではないかと思います。今後の家庭用ブロードバンド環境がどのように変遷するのか気になるところです。
【2023年1月30日追記】
携帯電話キャリア各社がホームルーターを発売へ
やはり携帯電話キャリア各社のホームルーター市場への参入が相次いでいます。NTTドコモがhome 5Gとしてプランを発売していましたが、楽天モバイルからもRakuten Turboという名前でホームルータープランの発表がありました。
これからは自宅などでインターネットを利用する際にも回線工事が必要ない無線インターネットによるサービスが徐々に普及していくものと思います。
コメント