株主提案と西武秩父線が廃止の危機?

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西武秩父駅

米国のサーベラスが西武HDに対して西武秩父線を廃止にすることを提案したという報道が3月20日の産経新聞で報じられていました。ちょうどこの時期は、東急東横線と東京メトロ副都心線が相互直通運転を開始したことにより、西武池袋線沿線から横浜方面に一本の列車で行けるようになった時期です。西武秩父線は西武池袋線の延長線上にありますので、元町中華街発、西武秩父行きなんていう電車が出来ると面白いなと思っていた矢先でした。

西武池袋線は池袋駅から吾野駅まで、そして西武秩父線は吾野駅から西武秩父駅までになっています。実はこの報道があるまで、池袋線の終点は飯能駅で、西武秩父線は飯能から秩父までだとばかり思っていました。

そもそもは秩父にある武甲山から産出される石灰石をもとに作られたセメントの輸送と沿線の観光開発を目的に明治44年に西武秩父線は開業しました。この路線は国道299号線とともに山間をぬうように走っています。また、正丸と芦ヶ久保の間には正丸峠を超えなければいけず、西武秩父線はこの区間を正丸トンネルで貫いています。このトンネルは総延長が4811メートルもあります。西武秩父線が開業した時点では山岳トンネルとして日本の私鉄最長のトンネルでした。

こんな場所であるため、この区間で採算をとることは難しく、西武としては厳しい状況を迫られている今、廃止という話しが出てくること自体は確かにあり得ることなのかもしれません。ただ、首都圏の身近な路線でまさか廃止という話しが出てくること自体が非常に意外でした。

この沿線では国際興業が路線バスを運営しているようですが、この国際興業でも全面撤退の話しが持ち上がっているそうです。そのため、飯能市ではバスの代替手段を探している状況のもとで、今度は鉄道の廃止という話しも出てきてしまったようです。

西武では川越と秩父は一大観光スポットとして今まで大々的に宣伝を行ってきました。また、西武レッドアロー号は秩父に向かう特急電車として定着しています。もしも西武秩父線が廃止されてしまうようなことがあれば、電車で行くとしたら高崎線で熊谷に向かいそこから秩父鉄道に乗っていくというルートしか無くなってしまいます。秩父の観光客の数が大きく減ってしまうのではないかと思います。

今回持ち上がった西武秩父線の廃止に関する話しが、どのような形で収拾されるのか、非常に気になるところです。

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