地方圏の高速道路が1回の通行では最高で1000円までにしかならない政策が始まって、すでに2ヶ月近くが経過しようとしています。この政策が始まると、カーフェリーなどいろいろな公共交通機関が打撃を受けるであろうと言われてきました。実際、各交通機関ではお客さんの現象などの影響が徐々に報道されてきています。
そんな中で、高速バスへの影響の話が朝日新聞の記事になって紹介されていました。日本バス協会が大手のバス会社に聞き取り調査をした結果によると、運行回数あたりの輸送人数については10%減少、特にマイカーが上限1000円になる土日祝日については12%減少になってしまっていて平日の6%減少に比較して2倍の落ち込みになってしまったそうです。
また、高速バスが時刻表どおりに運転できない弊害も発生しています。名鉄バスによれば同社の到着遅れの幅は例年の2倍になってしまったそうです。
これは、高速道路を走るマイカーの数が増えたために、渋滞が発生しやすくなり、その結果、高速バスも影響を受けてしまったということになります。
なぜか今回の政策では、高速道路の料金だけが対象になっていますが、旅行などで国民の動きを活性化させて、各観光地などでの収入をアップさせるということが目的であれば、何も高速道路料金のみが対象になっているというのもなんだか変な感じがします。
可能であれば、鉄道や高速バスといった乗り物の料金も何らかの形で助成することが出来れば、車を持っていない人も移動しやすくなるほか、高速道路に集中してしまっている人を分散できるのではないかと思うのですが、実際には難しいのでしょうか。
【2011/07/04追記】
高速1000円が6月で終わりました。まだ、地方高速道路で休日5割引きになる制度は継続していますが、それでも長距離を高速道路で走るとそれなりの料金になりますので、高速道路を延々と使用する利用者の数はかなり減るのではないかと思います。
高速道路における渋滞もこれで減りますし、高速バスを利用するお客さんもこれからは増えていくのではないかと思います。
高速バスは一時期は低価格競争が続いて、安全が犠牲になっている時期もありましたが、監督官庁による指導の効果もあり、最近では高速バスの交通事故も減ってきたように思います。
今後、高速バスの人気は高まっていくのではないかと思います。
【2012/09/09追記】
高速バスはその低価格を武器に需要を広げていましたが、関越自動車道の藤岡ジャンクション付近で発生したツアーバスの事故により、色々な面で見直しが行われています。
規制が緩和されてツアーバスが乱立するようになりましたが、中には法的に問題がある業者もあり安全性が犠牲になっていました。今回の見直しによって、少しでも高速バスの信頼が回復できるのか、気になるところです。
コメント