以前よりレポートを書こうと思っていて忘れていたのが、このエプソンのPM-890Cというインクジェットプリンターです。それまでは、PM-670Cという同じエプソンの機種を使用していたのですが、さすがに印刷品質に不満を感じるようになり、2002年に購入しました。
このプリンタを購入した最大の理由は印字品質が当時の機種の中では高かったことと、四辺フチなし印刷、当時はまだ珍しかったCD-R、DVD-Rへのラベルへのダイレクトプリント機能がついているのが一番の決め手でした。印字速度はそんなに早くはないのですが、そんなに毎日のようにプリンターを使うようなことはないので、この機種で十分と判断しました。他にロール紙が使えるなどの特徴もありましたが、ロール紙を使う予定もありません。

仕様
本機の仕様は下記のようになっています。もっとも特徴的なのは、2880X720dpiという解像度でしょうか。
■仕様概要 | ||
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機種名 | PM-890C | |
コントロールコード体系 ※1 | ESC/Pラスター※コマンドは非公開 | |
印刷方式/解像度 | MACH方式/2880×720dpi、1440×720dpi、 720×720dpi、360×720dpi、360×360dpi | |
ノズル配列 | 黒 | 48ノズル |
カラー | 240ノズル(48ノズル×5色) | |
印刷モード | イメージ | ラスターグラフィックス |
必要マージン (カット紙) | Lサイズ/2Lサイズ/ハガキ/A4:上・左・右・下マージン0mm※2 その他のサイズ:上・左・右・下マージン3mm以上 | |
インターフェイス | IEEE1284準拠双方向パラレルインターフェイス USBインターフェイス | |
紙送り方式 | フリクションフィード方式ASF付 | |
給紙容量(ASF)※3 | A4:最大100枚(55kg紙)、ハガキ:30枚 | |
インク | モノクロインクカートリッジ/カラーインクカートリッジ(5色一体型) | |
用紙 | 単票紙 (ASF) | 用紙サイズ:L/2Lサイズ・A6縦~A4縦 |
用紙厚:普通紙/0.08~0.11mm 当社純正プリンタ用紙※4/最大0.27mm 洋形封筒1号~4号・長形封筒3号/4号 | ||
ロール紙 | 89/100/127/210mm幅 | |
ハガキ | 種類:官製ハガキ・往復ハガキ・官製ハガキ(インクジェット紙) 専用ハガキ・光沢ハガキ 用紙厚:0.23mm以下 ※必要マージンにご注意ください。 | |
手指しスロット | CD-Rプリントトレイ※5 単票紙:用紙厚0.4~2.5mm、マットボード紙(背面トレイ) | |
消費電力 | 約11W | |
電源電圧 | AC100V±10% | |
外形寸法 (W×D×H)mm | 493×306×183(mm) | |
重量 | 約6.9kg | |
本体同梱品※6 | 取扱説明書、インクカートリッジ(クロ・カラー各1個)、ロール紙ホルダ CD-Rトレイ、専用紙パック、 EPSONプリンタソフトウェアCD-ROM (ドライバ&EPSON PhotoQuicker3.1& EPSON CD Direct Print2&電子マニュアル) | |
標準価格 | \45,800 |
※1:MS-DOSには対応していません。※2:四辺フチなし全面印刷対応表 ※用紙の種類によっては、フチなし全面印刷はできません。 ドライバでサポートする用紙サイズ用紙種類A4光沢紙/フォト・プリント紙2/PMマット紙ハガキ官製ハガキ/官製ハガキ(インクジェット紙) スーパーファイン専用ハガキ フォト・クォリティ・カード2/PMマットハガキLサイズ/2LサイズPM写真用紙<光沢>/PM写真用紙<半光沢>※:四辺フチなし全面印刷は、用紙サイズよりわずかに拡大して印刷します。そのため、用紙からはみ出した部分は印刷されません。本番の印刷前に試し印刷することをお勧めします。L/2Lサイズを除くPM写真用紙<光沢>、PM写真用紙<半光沢>、普通紙、スーパーファイン、スーパーファイン専用紙2は、四辺フチなし全面印刷が可能ですが、以下のような制限があります。※:PM写真用紙<光沢>、PM写真用紙<半光沢>では、用紙が反ってないことを確認して印刷してください。用紙が反った状態で印刷すると、プリントヘッドがこすれ印刷結果が汚れる場合があります。※:普通紙、スーパーファイン紙、スーパーファイン専用紙2では、印刷濃度の高いデータによってはプリントヘッドがこすれ、印刷結果が汚れる場合があります。※:光沢フィルム、OHPシート、アイロンプリントペーパーは、四辺フチなし印刷はできません。※3:枚数は紙質により異なります。 |
印字品質
インクジェットプリンタ用の年賀はがきなどでは、この程度の印字品質かと思っていたのですが、エプソンの写真用紙(光沢)を買ってきて印刷してみたところ、本当に写真と見間違えるように綺麗な印刷ができました。写真用紙は高いという固定観念があったのですが、エプソンの純正品だと、たくさんの枚数が一番多く入っている製品を購入すると、たとえばL版サイズの用紙では1枚あたりが5円以下のコストになります。これならば、それなりに財布にやさしい値段だと思います。
インクカートリッジ
インクカートリッジはずっとエプソンの純正品を使用していたのですが、始めて「リサイクルカートリッジ」という商品を試してみました。ほかにもインクを注入するタイプの商品も売られているのですが、PM-670Cの頃に使ってみて、不器用な私はインクまみれになってしまったことがあったので、それ以来、使わないようにしています。今回購入したリサイクルカートリッジというのは最初からカートリッジの中にインクが入った状態で売られています。つまり純正品を購入するときと何ら使用方法にかわりはありません。
このインクカートリッジを使用して印刷しようとしたところ、「純正品ではないがこのままインクカートリッジを使い続けるか?」という主旨のメッセージが出てきました。プリンタ側でどんなインクカートリッジが装着されたかが判るのですね。上記のメッセージのときには「はい」、と「いいえ」を選べるようになっていたので、非純正品のインクカートリッジを使い続けることができましたが、プリンタメーカー側としては、自分のメーカー以外のカートリッジが装着されたときには印刷できないようにするためのロジックをドライバへ付け 加えることも出来るわけです。
以前、PC9801が全盛だった頃に、エプソンが互換機で殴り込みをかけたとき、NEC側が純正のMS-DOSに自社のパソコンでしかMS-DOSが立ち上がらなくなるような仕組みを実装していました。このとき、エプソン側はそのロジックを無効にするためのパッチを配布していました。今度はエプソン側が優位にたっていて、当時とは立場が違うとはいうものの、歴史は繰り返されるのだなと思ってしまいました。
エプソンのプリンターは印刷をするためのヘッドが詰まりやすく、非純正品のインクを使うと故障を誘発する可能性があるということがよくいわれています。私は今のところは大丈夫ですが、使う上では自己責任でということになると思います。
DVD-R/CD-R ラベル印刷
本機の一つの特徴である、DVD-R/CD-Rレーベル面へのダイレクト印刷機能ですが、この機能は私にとっては使う機会が多い機能です。PM-890Cには買ってきたときにCD-R/DVD-Rへ印刷するときに必要なプラスチックのアダプタが付属してきます。このアダプタが無いとダイレクト印刷はできません。中古でこの機械を購入するときには、このアダプタがついているか否かは必ず確認した方が良いと思います。
CD-R、DVD-Rのレーベルへダイレクト印刷したいときには、プリンタの前後に十分なスペースが必要となります。棚の上などに置いてある場合には、どこかの広い場所へ動かしてから印刷する必要があるかもしれません。印刷をするときにはこちらのページにマニュアルが置いてありますので、これをよく確認すると良いと思います。
今からもし新品を購入するなら・・ (2005.11.26追記)
すでにここで紹介したPM-890Cについてはかなり古い商品なので新品で購入するのは無理かと思います。もしも今から新品を購入するとすれば、私ならばEPSONのPM-A890という機種が欲しいと思っています。この機種は型番こそ、ここで紹介したPM-890Cと似ていますが、機能は全く違っていて、いわゆる複合機に分類されるプリンタです。すなわち、スキャナとプリンタが一体化しているため、それぞれの機能を使うことができるのはもちろんのこと、パソコン無しでも、コピー機として活躍してくれます。また、SDメモリーカードなどを直接読み込むことができるほか、液晶画面がついているので、どの写真を印刷するのかを選ぶのも簡単です。つまりパソコンをわざわざ立ち上げなくても、デジカメや携帯電話で撮影した写真を簡単にプリントできるようになっています。何十枚もまとめて印刷するならばパソコンを立ち上げて印刷した方が良い場合もありますが、ちょっと1~2枚を印刷したいという場合はこちらの方がずっと良いと思います。
既に3万円前後まで実売価格が落ちてきているので、1台欲しいなと思っているところです。
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