市川実日子さん主演の映画「レンタネコ」がまったりしていて面白い

レンタネコ

先日、NHKで市川実日子さんが主演している映画「レンタネコ」が放送されていました。いま、日曜日に日テレ系で放送されている「ホットスポット」が人気になっていることにあやかって、同じ市川実日子さん主演の映画をぶつけてきたところは、NHKもよく考えていると思います。この「レンタネコ」という作品は私自身は知らなかったのですが、2006年の「かもめ食堂」、2017年の「彼らが本気で編むときは、」、2022年の「川っぺりムコリッタ」などを監督する、2012年の荻上直子さんによる作品です。

祖母と二人暮らしだった市川実日子が演じるサヨコは2年前に祖母が他界してから古い日本家屋でたくさんの猫と暮らしています。そんなサヨコがリヤカーに猫たちを乗せて、「レンターネコ、ネコネコ」とまるで「石焼き芋」のような屋台の口調で川沿いの道を歩きます。この川、周りの建物から推測すると多摩川でしょうか。

そんなレンタネコ屋に声をかけてくる人がいて、一人目は老婦人、自分が息を引き取るまでを期限にして猫をレンタルしました。猫のレンタル料はわずか1000円、そんなに安い値段でやっていけるのかを老婦人がサヨコに聞くと、サヨコは株のトレーダーで儲けているから大丈夫だと答えます。

二人目は会社員の男性が単身赴任が終わる時までを期限にして猫をレンタルします。こちらも猫のレンタル料は1000円。会社員がサヨコにこんなに安くて良いのかを聞くと、今度はサヨコは占い師として成功しているから大丈夫だと答えます。結局、男性は単身赴任が終わる時期が来ましたが、猫と別れることはできずに、最期まで面倒を見ることを条件に猫を連れて自宅へと帰ります。

三人目はレンタカー屋の店員です。この店員に猫を貸すとき、やはり1000円で貸し出して大丈夫なのかを聞かれますが、サヨコはCM音楽を手掛ける作曲家だと答えます。サヨコはハワイ旅行の景品が目当てでレンタカーを借りますが、残念ながらハワイ旅行は外れてしまいました。

こんな具合に、まったりとした世界観の中で、サヨコがいろいろな人と出会いつつも、レンタネコ屋を続けていく姿が描かれています。何か、特別な主張があるような映画ではないのですが、のんびりとした時間の流れが心地よかったです。