IP電話のIPとはインターネットプロトコルの略です。インターネットの技術を活用して音声通話を行う仕組みなのでこの名が付いています。IP電話というと安いという印象がありますが、それではなぜ安いのでしょう。それはインターネットの技術は全世界共通で、そこで使用される機器も量産効果で安くて高性能な物がどんどん登場しています。一方、従来の電話は日本独自仕様のため設備の購入費や保守にコストがかかります。そこで電話をもっと安くするには、ネットの技術を取り入れた電話網を構築してNTTの一般加入回線網を使わないようにするという形でコスト低減を図ったのがIP電話です。 従来はパソコンを使ったインターネット電話が主流でしたが、最近では一般電話から一般電話に直接接続ができるIP電話が流行してきています。(正確な分類ではありませんがパソコンを使って接続する電話をインターネット電話、一般電話同士で接続する電話をここではIP電話と呼びます)
IP電話といっても大きく分けると二種類の方式があります。一つは、NTT局から家までの末端部分はNTTの回線を使い、中・長距離部分はIP網で接続するやり方です。一般に、00XX+電話番号というタイプのIP電話がこれにあたります。全国一律3分20円のフュージョンがこの方式です。一方、BBフォンやniftyで実験を行ったブロードバンド系IP電話はNTT局から家までの末端部分にもネット回線を利用するためさらに安価になります。さらに通話相手も同じ事業者のIP電話利用者であればNTT回線をいっさい使わないで電話が出来るため、基本料金内でかけ放題ということが実現できます。
最近になってYahooBBをはじめとした各プロバイダや回線業者がIP電話を大々的にアピール、普及活動に力が入っていますが、その前進は意外に古く歴史があります。まずはその分類についてふれたいと思います。
IP電話の分類
インターネットが普及して、ISDN回線や56Kbpsのアナログモデムが普及した時期に、インターネット電話が流行りました。パソコンにマイクや場合によってはカメラを接続して、インターネット電話用ソフトを立ち上げて、相手のパソコンと接続するというものです。しかし、このタイプの電話はパソコンを立ち上げる必要があり、かつ相手もパソコンを立ち上げる必要があるので、チャットの延長としての性格が強く日常生活の電話がわりに使うのは少々つらいものがありました。また、回線速度が当時は遅かったため、声にエコーがかかって聞きにくかったり、雑音がはいったりということもよくありました。それ以降にはパソコンから一般電話に接続できるサービスが普及し、そして一般電話から一般電話に接続できるサービスが普及してきました。整理するとP下記の表のようなかたちになります。
| タイプ | メリット | デメリット | |
|---|---|---|---|
| インタ|ネット電話 | パソコン→パソコン | 初期投資コストが安い 常時接続回線上で使う分には電話代がかからない |
パソコンを立ち上げるのが面倒 相手もパソコンが必要 |
| パソコン→一般電話 | 初期投資コストが安い 相手はふつうの電話さえあれば電話ができる |
パソコンを立ち上げるのが面倒 業者と契約して通話料金は業者に払う形になる |
|
| IP電話 | 一般電話→一般電話 (自宅→局:電話接続) |
初期投資コストが安い プロバイダやADSLに加入していなくても使用することができる |
自宅から収容局(または基幹局)まではふつうの電話回線で接続するため他の方法に比べると若干通話料金が高い(長距離電話の場合は相手の家までふつうに電話するよりは十分に安い) |
| 一般電話→一般電話 (自宅→局:IP接続) |
相手の電話と普通に接続できるにもかかわらず安い 相手が同じプロバイダ(またはプロバイダ連合)に加入していると、通話料金が無料になる |
ある程度の初期投資コストがかかる。(機器レンタルにすれば初期投資はかからないが、毎月の料金に機器のレンタル料が上乗せされる) ADSL等の常時接続回線を使うことが前提。従って毎月固定の回線使用料とプロバイダ使用料が必要 |
分類1:パソコン→パソコン
パソコンからパソコンへ通話する代表的なサービスはマイクロソフトのWINDOWSメッセンジャーが有名です。WINDOWSがインストールされているパソコンでは標準でインストールされていることも多く、気軽に使用することができます。
| WINDOWSメッセンジャー | こちら |
| MSNメッセンジャー | こちら |
| Yahooメッセンジャー | こちら |
| BitArena | こちら |
| パケッチャ |
パソコンでIP電話を楽しむときには、マイクは必需品です。たいていのパソコンにはサウンドカードは標準的に付いているかと思いますので、このサウンドカードのMIC IN端子にマイクをつなげる形になります。さらに、音声だけではなく画像の通信も行う場合はWEBカメラが必要になります。これらの必要な商品についてはセットになって市販されていますので紹介します。
| 【パーソル】10万画素WEBカメラ、ヘッドセットマイクパック PBC002PC用テレビ電話セット イン... | 【パーソル】30万画素WEBカメラ ヘッドセットマイクパック PBC001PC用テレビ電話セット イン... | 【パーソル】WEBカメラ、ヘッドセットマイクパック PBC004PC用テレビ電話セットインターネット... |
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分類2:パソコン→一般電話
パソコンから一般電話へアクセスするためのサービスを提供している業者には以下のようなものがあります。この中で異色なのはただTELで、広告等をみてポイントを集めることにより、このポイントを使って完全無料で電話をかけることができるというサービスです。
| イーアクセス インターネット電話 | こちら |
| ただTEL | 「ただTEL」で無料インターネット電話!! |
| @niftY Go2Call | こちら |
![]() IP電話でわかる最新ネットワーク技術 |
![]() 図解雑学 IP電話 |
![]() 図解入門 よくわかる最新IP電話の基本と仕組み―IPネットワークと音声データ通信の基礎 |
![]() 電話代がタダになる?IP電話よくある質問 |
分類3:一般電話→一般電話 (局まで普通に電話)
この分類ではなんと言ってもフュージョンコミュニケーションズが有名です。マイライン登録をすることもできます。
| フュージョンコミュニケーションズ |
フュージョンのIP電話
フュージョンのIP電話
IP電話といえば、フュージョンコミュニケーションズが日本国内どこまで電話しても3分20円という低価格で参入してきたことが記憶に新しいですが、私も数年前のお正月に「お正月に限り、一日中、通話料が無料」というキャンペーンにつられて、フュージョンの電話に加入しました。実際に使ってみると、音質が悪いわけでもエコーがかかるわけでも無く、まったく普通の電話と同じように使えることに非常に驚きました。(インターネットで行われているIP電話の実験サービスを使った印象で、IP電話というと、音質が悪いという固定観念があったためです) 以来、遠距離市外はフュージョンコミュニケーションズを愛用しています。もちろん、「遠距離市外」のマイラインにも登録しました。もし使わなくても月額基本料等はいっさいありませんので、申し込みだけしておいても良いかと思います。今はマイライン登録は有料になっていますが、フュージョンから1000円分の通話料がプレゼントされます。以下に、加入のリンクを貼っておきますのでご使用ください。
(フュージョンコミュニケーションズのIP電話) |
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JENSのIP電話 (2003.1.25追記)
最近、手紙が送られてきたので思い出したのですが、JENSという会社のIP電話にも加入しています。登録料、月額基本料金等は無料で、通話料だけが必要な仕組みです。(フュージョンと同じです) しかも、最近、値下げがあったようで、国内の固定電話間の電話料金が3分間18円になったようです。これでもYahoo−BBよりまだまだ高い水準です。しかも、致命的な欠点があり、電話するたびに非常に長いアクセス番号をダイヤルする必要があります。これが大変なのと、上記のフュージョンコミュニケーションズのIP電話があったため、こちらのIP電話とは疎遠になっていました。
分類4:一般電話→一般電話 (局までIP接続)
最近はやりのIP電話です。使用上においては一般の加入電話とほとんど異なる点はありません。普通に電話番号を指定すれば電話をかけることができます。ただし、専用機器を導入するため、その接続方法には注意する必要があります。相手も同じ事業者のIP電話利用者であれば通話料が発生しないルートで接続してくれることができます。先行するYahoo−BBのBBフォンを追いかけようとプロバイダー各社も続々とIP電話サービスに参入してきています。ただし、ADSLがNTTの電話回線を使用しているため、IP電話を導入したからといって一般加入電話を解約できるわけではありません。月額1750円のNTT基本料は払い続ける必要があります。一方、電力会社等の非NTTが提供する光ファイバーサービスを使用すれば完全にNTTとの契約を解約することが可能になります。
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分類4に関する詳細
局までもIP接続を使用するIP電話は、ADSLなどの常時接続回線を使っていると、局までの電話料金すらかからないので、全体としてコストを大幅に接続することができます。実際にIP電話の使い勝手はどうなのでしょうか。以下、気になる点を整理したいと思います。
IP電話の気になる点
- 音質は良いのか?
- 分類1のインターネット電話が5〜6年前に登場したときは、音声が遅延したりエコーがかかったりして、決して音質は良いものではなく、むしろ相手の声が聞き取りにくいこともありました。現在は回線の速度もアップし技術も向上したことを受けて一般電話と遜色の無い通話品質を楽しむことができます。
- FAXは使えるのか?
- ほとんどのIP電話サービスは一般電話と同じ同等の帯域を割り当てて通信を行っていますので、ファックスやアナログモデムといった機器も従来と同じように問題なく使用できます。
- 緊急電話はかけられるのか?
- 110番や119番の場合は、その性格から発信者の住所の特定やコールバック機能を設けることを法的に求められています。現状のIP電話にはその仕組みがありません。従って、110番をダイヤルすると、機器が自動的に判別してくれて、一般回線を用いて電話をかけてくれるような仕組みになっています。
- 携帯電話にはかけられるのか?
- 携帯電話への通話は一般加入回線からの通話になります。携帯電話への接続料が高額なため、もしもIP電話経由で接続ができるようにしても、現時点ではコストメリットを大きく受けることはできません。
050のIP電話専用番号の割り当てについて
分類4のIP電話に申し込むと、IP電話固有の050で始まる電話番号が割り当てられます。この050が割り当てられるようになるまでの経緯は以下の通りになっています。
- 2002年1月
- 総務省が050割り当ての検討を開始
- 2002年5月
- IPネットワーク技術に関する研究会で割り当てのガイドラインが決まる
- 2002年9月
- 情報通信技術委員会がIP電話品質に関する仕様を策定
- 2002年11月
- 総務省が050を割り当て開始
050の電話番号はIP電話に割り当てられている番号で050で始まる11桁の番号です。同一事業者のIP電話であれば無料で050で始まる電話番号への受発信が可能です。050の割り当てにより2003年の夏以降にIP電話でも一般加入電話からの着信が可能になる見込みです。NTTの交換機に050の番号が登録された以降に使用することができます。
IP電話事業者と提携して参入するプロバイダー
続々と登場するIP電話サービスを開始するインターネットサービスプロバイダーですが、プロバイダー自身ではIP電話のインフラを持っていません。そのため、NTTコミュニケーションズやKDDIなどのIP電話事業者(キャリア)と提携して参集している形をとっています。キャリアから卸し受けたIP電話を自社プロバイダーのユーザに販売する形になっています。しかし、ユーザからはあくまでも見えるのはプロバイダーで大本のキャリアがどこであるかは意識することはありません。通話料の請求もプロバイダーの接続料の請求と一緒に来るような形になります。ユーザにとっての最大な関心事は、基本料金内で電話がかけ放題になる範囲がどこまで広がるかという部分です。これも各連合が手を組む発表があり、Yahoo−BBとそれ以外のプロバイダ連合という2極化が進んでいます。
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